1 回にまとめて頼むほど発注の手間は減りますが、在庫を抱える費用は増えます。その合計がいちばん安くなる発注量を √(2 × 年間需要量 × 発注費用 ÷ 在庫維持費用) で求めます。在庫が切れる前に注文を出す発注点もあわせて出します。
仕入れをまとめるか、こまめにするかは板挟みです。1 回にたくさん頼めば発注の回数が減り、そのたびにかかる手間や送料は少なくて済みます。そのかわり届いた在庫を置いておくことになり、倉庫代や資金が寝る費用がかさみます。この 2 つの合計がいちばん安くなる発注量を求めるのが経済的発注量で、ウィルソンの公式とも呼ばれます。
年間の発注費用は で、 を大きくすると減ります。年間の在庫維持費用は で、 を大きくすると増えます。在庫が 個から 0 個まで一定の速さで減っていくので、ならすと 個を持ち続けていることになるためです。
年間需要量 12000、1 回あたりの発注費用 5000、1 個あたりの年間在庫維持費用 100 で見てみます。
は 1200000 で、その平方根はおよそ 1095 です。1 回に 1095 個ずつ頼むのがいちばん安いということになります。年間の発注回数は でおよそ 10.95 回、およそ 33 日に 1 回のペースです。
このときの費用を分けて見てみます。発注費用は でおよそ 54772、在庫維持費用は でおよそ 54772 です。ぴったり同じ額になりました。これは偶然ではなく、片方が減れば片方が増える 2 つの費用が釣り合う点こそが、合計の最小になる点だからです。合計はおよそ 109545 になります。
いくつ頼むかとは別に、いつ頼むかも決めなければなりません。注文してから届くまでに日数がかかるので、在庫が 0 になってから頼んだのでは間に合いません。
届くまでのあいだに売れる分がまだ残っているうちに、注文を出します。調達に 7 日かかるなら、 でおよそ 230 個です。在庫がここを切った時点が発注のタイミングになります。
需要が 1 年を通して一定で、欠品しないという前提の式です。実際の需要は上下しますし、届くのが遅れることもあります。ですから現場では、ここで出た発注点に安全在庫を上乗せしておきます。
答えのまわりでは、合計費用はゆるやかにしか変わりません。この例で 1095 個をきりよく 1000 個にしても 1200 個にしても、年間の費用はどちらも 110000 で、最小の 109545 から 455 しか増えません。1 箱の入り数やパレットの単位など、現実の都合に合わせて丸めて構いません。