楕円体の体積と表面積の求め方

3 方向の半径が違う球、つまり楕円体の体積を 4πabc ÷ 3 で求めます。表面積は初等関数では書けないので、クヌート・トムセンの近似で出します。

球を 3 方向にそれぞれ違う倍率で伸ばした形を楕円体といいます。ラグビーボールや、少しつぶれた地球の形がこれにあたります。

体積の式は、球の式の r3r^3abcabc に置き換えただけです。

V=4πabc3V = \dfrac{4\pi a b c}{3}

a=b=ca = b = c とすれば abcabcr3r^3 になり、球の式に戻ります。

この単純さには理由があります。半径 rr の球を、xx 方向に a/ra / r 倍、yy 方向に b/rb / r 倍、zz 方向に c/rc / r 倍だけ引き伸ばすと楕円体になります。体積は 3 方向の倍率の積だけ増えるので、4πr33×abcr3\dfrac{4\pi r^3}{3} \times \dfrac{abc}{r^3} となり、rr が消えて 4πabc3\dfrac{4\pi abc}{3} が残ります。

表面積は式で書けない

ところが表面積のほうは、初等関数では書けません。楕円積分という別の関数が要ります。楕円の周の長さが円周のように簡単に書けないのと同じ事情です。面積や体積は掛け算で伸び縮みしますが、長さや表面積には平方根が入り込み、それがきれいに積分できません。

そこで近似式を使います。この計算機はクヌート・トムセンの式を使っています。

S4π((ab)p+(ac)p+(bc)p3)1p,p=1.6075S \fallingdotseq 4\pi \left(\dfrac{(ab)^{p} + (ac)^{p} + (bc)^{p}}{3}\right)^{\frac{1}{p}}, \quad p = 1.6075

pp の 1.6075 は、実際の値に合うように選ばれた数です。3 つの半径が等しいときは中身が (r2)p(r^2)^p の平均になるので、4πr24\pi r^2 ちょうどになり、球では誤差が出ません。いちばんずれる形でも、誤差は 1.1% ほどに収まります。

既定の入力は半径が 5、4、3 の楕円体です。

体積は 4π×60÷34\pi \times 60 \div 3 でおよそ 251.3274 になります。表面積は近似式からおよそ 199.5017 です。

同じ体積の球の半径もあわせて出しています。abcabc の立方根で、6060 の立方根のおよそ 3.9149 です。中身の量だけを比べたいとき、この値を使うと球や別の楕円体と並べやすくなります。

注意

表面積は近似値です。厳密な値が要る場面では、楕円積分を数値計算する必要があります。

地球は赤道方向の半径が極方向より 21 km ほど長い楕円体で、aabb が等しく cc だけ短い形になります。このように 2 つが等しいものを回転楕円体といい、こちらは表面積を初等関数で書けます。3 つとも違う場合だけが書けません。