将来入るお金を今の価値に割り引いて、その投資が見合うかを調べます。正味現在価値を Σ(t 年後の収入 ÷ (1 + 割引率)^t) − 初期投資 で求めます。これがプラスなら、投じたお金より値打ちが大きいという意味です。
今の 1000000 円と、1 年後の 1000000 円は同じ値打ちではありません。今あるお金は預けたり運用したりできるからです。年 5% で回せるなら、今の 1000000 円は 1 年後に 1050000 円になります。裏を返せば、1 年後の 1000000 円は今の 952381 円と釣り合います。この「今に直した値打ち」を現在価値といいます。
正味現在価値は、投資で入ってくるお金を全部現在価値に直して合計し、そこから初めに出したお金を引いたものです。
年後の収入は で 回割ります。先の年ほど割る回数が増えるので、値打ちは小さくなります。
初期投資 1000000、割引率 5%、毎年の収入が 300000 ずつ 5 年間の場合で見てみます。
割り引かずに足すと収入は 1500000 で、投じた 1000000 より 500000 も多いように見えます。ところが 1 年後の 300000 は今の 285714、5 年後の 300000 は今の 235058 でしかありません。5 年ぶんを全部足しても、およそ 1298843 にしかならないのです。
ここから初期投資 1000000 を引いて、正味現在価値はおよそ 298843 になります。プラスなので、この投資は割に合っているという判断になります。
収益性指数は 収入の現在価値 ÷ 初期投資 で、この例ではおよそ 1.2988 です。投じた 1 円が 1.3 円ぶんの値打ちを生むという意味で、投資額の違う案を並べて比べるときに使います。
割引率は、そのお金をほかで運用したらどれだけ増えたか、あるいは資金を借りるのに何 % かかるかで決めます。会社なら資本コストを使うことが多いです。
割引率を上げると、先の年の収入ほど強く割り引かれ、正味現在価値は下がります。この例では 15% でおよそ 5647 とほぼ 0 になり、16% にするとおよそ −17712 でマイナスに転じます。つまりこの投資は、年 15% を超える利回りをほかで得られるなら見送るべきだ、ということになります。
収入は 1 年後から数えます。投資したその場で入るお金があるなら、初期投資のほうで差し引いてください。
毎年の収入が読めているという前提の計算です。実際には予測は外れます。割引率をいくつか変えて計算し、どこまでなら耐えられるかを見ておくと安全です。