オッズ比とリスク比の求め方

要因にさらされた群とそうでない群を並べて、その要因が結果にどれだけ効いているかを表します。リスク比は起きる割合どうしの比、オッズ比は「起きる ÷ 起きない」どうしの比です。どちらも 1 なら差がないという意味です。

ある要因が病気の発症に関わっているかを調べるとき、要因にさらされた群とそうでない群を並べて、発症した人としなかった人を数えます。この 2 行 2 列の表から、関連の強さを表す数を 2 通りに作れます。

ひとつはリスク比です。それぞれの群で発症した割合を出し、その比を取ります。

RR=aa+bcc+dRR = \dfrac{\dfrac{a}{a + b}}{\dfrac{c}{c + d}}

もうひとつがオッズ比です。オッズとは「起きる ÷ 起きない」のことで、その比を取ります。

OR=a/bc/d=adbcOR = \dfrac{a / b}{c / d} = \dfrac{ad}{bc}

どちらも 1 なら「関連がない」という意味です。1 より大きければ要因が発症を増やす向き、小さければ減らす向きに働いていることになります。

既定の入力で見てみます。曝露ありでは 40 人が発症し 60 人が発症せず、曝露なしでは 20 人が発症し 80 人が発症しませんでした。

曝露ありのリスクは 40÷10040 \div 100 で 40%、曝露なしは 20÷10020 \div 100 で 20% です。リスク比は 0.4÷0.20.4 \div 0.2 でちょうど 2 になります。曝露した人は 2 倍発症しやすい、という素直な読み方ができます。

オッズ比は (40×80)÷(60×20)(40 \times 80) \div (60 \times 20) でおよそ 2.6667 です。同じデータなのに、リスク比よりかなり大きい数になりました。

2 つがずれる理由

オッズは分母が「発症しなかった人」なので、発症が多いほど分母が小さくなり、比が押し広げられます。この例では 4 割も発症しているため、その効果が強く出ています。

発症がまれな場合は話が違います。発症する人が全体の数 % しかいなければ、分母の「発症しなかった人」はほぼ全体と変わらず、オッズ比とリスク比はほとんど同じ値になります。

ですから、オッズ比を「何倍発症しやすい」と読むのは、発症がまれなときに限って許される近似です。この例のように発症が多い場面で 2.6667 倍と言うと、実際の 2 倍より大げさに伝わります。

使い分け

リスク比は、集団を追いかけて発症を数える研究でしか計算できません。発症した人としていない人を先に選んでから過去の曝露を調べる症例対照研究では、発症率そのものが分からないためリスク比が求まらず、オッズ比を使うことになります。オッズ比が医学研究で広く使われるのは、この事情によります。