母平均を決めた精度で推定するのに、いくつ調べればよいかを求めます。標本サイズは (臨界値 z × 標準偏差 ÷ 許容誤差)² です。許容誤差を半分にすると、必要な標本は 4 倍になります。
調査を始める前に決めておかなければならないのが、どれだけ集めるかです。少なすぎれば結論が出ず、多すぎれば手間と費用の無駄になります。求めたい精度を先に決めれば、必要な数は計算で出ます。
母平均の信頼区間の幅は 臨界値 × 標準偏差 ÷ √n で決まります。この幅を許容誤差以下にしたいので、n について解きます。
端数が出たら切り上げます。切り捨てると目標の精度にわずかに届かないためです。
が分母にあって 2 乗されているところが要点です。許容誤差を半分にすると、必要な標本は 4 倍になります。精度を上げるのは、思うより高くつきます。
既定の入力で見てみます。母標準偏差 15、許容誤差 2、信頼水準 95% です。
信頼水準 95% に対応する臨界値はおよそ 1.9600 です。 は 14.7 で、これを 2 乗すると 216.09 になります。切り上げて、必要な標本サイズは 217 です。
実際に 217 個集めたときの誤差は でおよそ 1.9958 になり、目標の 2 をきちんと下回っています。
許容誤差を 1 にすると、必要な数は 865 に跳ね上がります。誤差を半分にするために、標本は 4 倍必要だということが数字で確かめられます。
信頼水準を上げても数は増えます。95% を 99% にすると臨界値が 1.9600 から 2.5758 に上がり、必要な数は 217 から 374 になります。誤差を狭めるほどではありませんが、確実さを求めればそのぶん払うことになります。
式には母標準偏差が入っていますが、調べる前からこれが分かっていることはまずありません。実際には予備調査をして見積もるか、過去の同種の調査の値を借ります。
手がかりがまったくないときは、おおよその範囲を 4 で割った値を目安にすることがあります。正規分布ならデータのほとんどが平均 ± 2 標準偏差、つまり幅 4 標準偏差のあいだに収まるためです。
母集団が小さいときは、この式のままでは多すぎる数が出ます。求めた標本サイズが母集団の 5% を超えるようなら、有限母集団修正を入れて減らします。
計算で出るのは、回答が得られた数です。調査票を配る枚数は、回収率で割って増やしておく必要があります。