必要な標本サイズ(母比率)の求め方

支持率や不良率を決めた精度で調べるのに、いくつ集めればよいかを求めます。標本サイズは 臨界値 z² × p(1 − p) ÷ 許容誤差² です。p が 50% のときに最大になるので、見当がつかないときは 50% を使います。

支持率や視聴率、不良率のように、比率を調べる調査で何人集めればよいかを求めます。考え方は母平均のときと同じで、信頼区間の幅を許容誤差以下にするよう解きます。

比率のばらつきは p(1p)p(1-p) で決まるので、標準偏差の代わりにこれが入ります。

n=z2p(1p)E2n = \dfrac{z^{2} \, p(1 - p)}{E^{2}}

p(1p)p(1-p)p=0.5p = 0.5 のときに最大の 0.25 になり、0 や 1 に近づくほど小さくなります。ですから比率が半々に近いほど、たくさん集める必要があります。逆にいえば、比率の見当がまったくつかないときは 50% として計算しておけば、どんな結果になっても足りるということになります。

既定の入力で見てみます。予想される比率 30%、許容誤差 3%、信頼水準 95% です。

1.9621.96^{2} はおよそ 3.8416、0.3×0.70.3 \times 0.7 は 0.21、0.0320.03^{2} は 0.0009 です。3.8416×0.21÷0.00093.8416 \times 0.21 \div 0.0009 を計算すると 896.4 になり、切り上げて 897 人が必要だと分かります。

比率が分からないものとして 50% で計算すると、3.8416×0.25÷0.00093.8416 \times 0.25 \div 0.0009 で 1067.1、切り上げて 1068 人です。世論調査の標本がしばしば 1000 人あまりなのは、これが理由です。誤差 3% で 95% の信頼を確保するなら、比率がどうであれ 1068 人あれば足ります。

母集団の大きさは関係ない

この式に母集団の大きさは入っていません。有権者が 1 万人の町でも 1 億人の国でも、同じ精度を得るのに必要な標本は同じ 1068 人です。

直感に反しますが、そういうものです。鍋の味を見るのに、鍋が大きいからといってたくさん飲む必要はありません。よくかき混ぜてあれば、ひと匙で足ります。標本調査で大事なのは全体に対する割合ではなく、標本そのものの数と、偏りなく選べているかどうかです。

注意

無作為に選べていることが前提です。この式は「何人集めるか」しか教えてくれません。集め方が偏っていれば、1068 人だろうと 10 万人だろうと結果は偏ります。標本の大きさより、選び方のほうが結果を左右します。

母集団が小さいときだけは話が別で、標本が母集団の 5% を超えるようなら有限母集団修正を入れて減らせます。

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