値そのものではなく順位に直してから相関を見ます。直線的でない関係でも、片方が増えればもう片方も増えるという傾向があれば拾えます。外れ値にも動かされにくい方法です。
ふつうの相関係数(ピアソンの相関係数)は、2 つの値が直線的に並んでいるかどうかを測ります。ですから、片方が増えれば必ずもう片方も増えるという関係でも、その増え方が曲がっていると値が下がってしまいます。
スピアマンの順位相関係数は、値そのものではなく順位に直してから相関を取ります。順位に直すと、増え方が急か緩やかかという情報は消えて、増えているか減っているかという順序だけが残ります。
順位を並べたものにピアソンの相関係数を当てはめているだけです。値の範囲も同じで、−1 から 1 のあいだに収まります。
同じ値が複数あるときは、それらが占める順位の平均を全員に割り当てます。1, 2, 2, 3 なら、2 つある 2 は 2 位と 3 位を分け合うので、どちらも 2.5 位です。順に 2 位、3 位と振ってしまうと順位のばらつきが変わり、係数がずれます。
既定の入力 x = 10, 20, 30, 40, 50 と y = 3, 5, 12, 40, 200 で見てみます。
y は x が増えるにつれて必ず増えていますが、増え方が急です。3 から 5 へは 2 しか増えないのに、40 から 200 へは 160 も増えています。
順位に直すと、x は 1, 2, 3, 4, 5、y も 1, 2, 3, 4, 5 です。完全に一致するので、順位相関係数はちょうど 1 になります。
一方でピアソンの相関係数はおよそ 0.8070 です。200 という値が直線から大きく外れているために、1 には届きません。この 2 つの数の差が、そのまま 2 つの方法の違いを表しています。順序だけを見れば完璧、直線への当てはまりを見ればそこそこ、ということです。
外れ値のあるデータに向いています。順位は「どれだけ離れているか」を見ないので、1 つだけ極端に大きな値があっても、それは単に「いちばん大きい」という 1 つの順位になるだけです。
もともと順位で得られるデータにも使えます。アンケートの好み順や、コンテストの審査員 2 人のつけた順位がどれだけ一致しているか、といった場面です。
増えているか減っているかしか見ないので、山なりの関係は拾えません。増えてから減るような関係は、順位に直しても相関が打ち消し合って 0 に近づきます。
順位に直す時点で情報を捨てています。関係が本当に直線的なら、ピアソンの相関係数のほうが細かいところまで拾えます。どちらか一方だけを見るのではなく、両方を並べて食い違いを見るのが実際的です。