球冠(球を平面で切った部分)の求め方

球を平面で切り取ったときの、切り口から上の部分の体積と表面積を求めます。球形のタンクに入った液量や、ドーム屋根の計算に使います。切り口の円の半径もあわせて出します。

球をナイフで一度だけ切ると、大きいほうと小さいほうに分かれます。この切り取られた部分を球冠といいます。球形のタンクに入った液量や、ドーム屋根の面積を出すときに使う形です。

V=πh2(3rh)3S=2πrhV = \dfrac{\pi h^2 (3r - h)}{3} \qquad S = 2\pi r h

切り口の円の半径は h(2rh)\sqrt{h(2r - h)} です。球の中心から切り口までの距離が rhr - h になるので、三平方の定理から出ます。

曲面の面積は高さだけで決まる

曲面の式 2πrh2\pi r h に注目してください。切り取る高さ hh しか入っておらず、球のどのあたりを切ったかは出てきません。

つまり、てっぺん近くを厚さ 1 で切っても、赤道のあたりを厚さ 1 で切っても、その帯の曲面積は同じになります。てっぺん近くは輪が小さいけれど傾きが急で、赤道のあたりは輪が大きいけれど傾きがゆるやかです。この 2 つがちょうど打ち消し合います。アルキメデスが見つけた性質で、球の表面積が 4πr24\pi r^2 になることもここから導けます。

既定の入力は、半径 5 の球を高さ 2 だけ切り取った場合です。

体積は π×4×(152)÷3\pi \times 4 \times (15 - 2) \div 3 でおよそ 54.4543 になります。曲面の面積は 2π×5×22\pi \times 5 \times 2 でおよそ 62.8319 です。切り口の円の半径は 2×8\sqrt{2 \times 8} でちょうど 4、切り口を含めた全表面積はおよそ 113.0973 になります。

高さを直径いっぱいの 10 にすると、体積はおよそ 523.5988、曲面はおよそ 314.1593 になり、半径 5 の球そのものと一致します。高さを半径と同じ 5 にすれば半球で、体積も曲面も球のちょうど半分です。

注意

切り取る高さは直径以下にしてください。それを超えると球を切り取った形ではなくなります。

球形タンクの液量を出すとき、液面が中心より上にあるなら、上の空いている部分を球冠として計算し、球全体から引くほうが楽です。液面が下半分にあるときだけ、そのまま球冠として計算します。

曲面の面積には切り口の円が入っていません。ドームの屋根材の量を出すなら曲面だけ、切り口も含めた立体の表面を塗るなら全表面積を使ってください。

呼び名が 2 通りあります。切り取った立体そのものを球欠、その曲がった表面だけを球冠と呼び分けることがあります。ただし立体のほうを球冠と呼ぶ資料も多く、この電卓もそちらに合わせています。