熱放射(ステファン・ボルツマンの法則)の求め方

物体が放射で失う熱を 放射率 × σ × 表面積 × 絶対温度⁴ で求めます。温度の 4 乗に比例するので、少し熱くなるだけで放射は大きく増えます。周囲から受け取るぶんを引いた正味の熱も出します。

物体は温度に応じて電磁波を出し、熱を失っています。これを熱放射といいます。

P=εσAT4P = \varepsilon\sigma A T^4

ε\varepsilon は放射率、σ\sigma はステファン・ボルツマン定数で 5.67×1085.67 \times 10^{-8}AA は表面積、TT は絶対温度です。物体は周囲からも放射を受けているので、正味の熱は差 εσA(T4Ts4)\varepsilon\sigma A(T^4 - T_s^4) になります。

4 乗が効く

温度の 4 乗に比例するので、少し熱くなるだけで放射は大きく増えます。絶対温度が 2 倍になると放射は 16 倍です。ストーブが赤くなるほど強く暖まるのも、この急な効き方によります。

体表面積 1.8 m²、皮膚温 33℃ の人が、20℃ の部屋にいるとします。放射率を 0.98 とすると、放射する熱は 879 W、周囲から受け取る熱は 739 W で、正味 140 W を失っています。人が安静時に出す熱がおよそ 100 W ですから、放射が体温の維持で大きな割合を占めていることが分かります。

注意

温度は必ず絶対温度で計算します。摂氏のまま 4 乗すると、まったく違う答えになります。

放射率は面の性質です。黒くざらついた面は 1 に近く、磨いた金属は 0.05 ほどしかありません。魔法瓶の内側が鏡になっているのは、放射率を下げて熱を逃がさないためです。