壁を構成する材料の厚さと熱伝導率から、熱の通しにくさ(熱抵抗)を足し上げ、その逆数として熱貫流率を求めます。U 値が小さいほど断熱がよく、熱の逃げが少なくなります。
壁の断熱性能は熱貫流率で表します。U 値とも呼ばれ、1 平方メートルあたり、内外の温度差 1 度あたりに何ワット逃げるかを示します。小さいほど断熱がよいということになります。
求め方は 2 段階です。まず熱の通しにくさ(熱抵抗)を層ごとに出して足し上げ、その逆数を取ります。
層の熱抵抗が 厚さ ÷ 熱伝導率 になるのは自然な形です。厚いほど熱は通りにくく、熱を伝えやすい材料ほど通りやすくなります。
壁の表面にも抵抗があります。表面に薄い空気の層が張り付いていて、それ自体が熱を通しにくいためです。室内側はほとんど風がないので 0.11、室外側は風で剥がされるので 0.04 を使います。
既定の入力は、室内から石膏ボード 12 mm、グラスウール 100 mm、合板 12 mm と重ねた壁です。
熱抵抗を足すと、表面が 0.15、石膏ボードが 0.055、グラスウールが 2.632、合板が 0.075 で、合計およそ 2.911 になります。熱貫流率はその逆数のおよそ 0.3435 です。
面積 20 平方メートル、温度差 20 度なら、熱損失はおよそ 137 W になります。
内訳を見ると、グラスウール 100 mm だけで熱抵抗 2.632、全体の 9 割を占めています。石膏ボードや合板は、厚さのわりにほとんど効いていません。
断熱材を抜いて合板 12 mm だけにすると、熱貫流率は 4.44 まで跳ね上がります。もとの 0.3435 のおよそ 13 倍で、同じ壁から 13 倍の熱が逃げる計算です。断熱材が入っているかどうかが、壁の性能をほぼ決めていることが数字で見て取れます。
柱や間柱の部分は木材が通っていて、断熱材より熱を通します。これを熱橋といい、壁全体で見ると計算値より性能が落ちます。
窓の U 値は壁よりずっと大きく、2 から 6 ほどあります。面積あたりで 10 倍近く逃げるので、家全体の熱損失は窓が支配します。壁だけ厚くしても効きは限られます。
熱伝導率の目安を並べておくと見当がつきます。グラスウールがおよそ 0.038、木材がおよそ 0.12、コンクリートがおよそ 1.6、鉄はおよそ 53 です。断熱材と鉄では 1000 倍以上の開きがあります。鉄骨造で断熱が難しいと言われるのは、この差が熱橋として効いてくるためです。