回転のパネルで r や s を押すと図が動きます。r は頂点 1 つぶん回し、r' は逆へ回し、s は裏返します。手順のパネルで手順を選ぶと、番号が並んだ状態から繰り返しが始まり、元へ戻るまでの周回数を数えます。表示のパネルで角の数を三角形から十二角形まで変えられます。右上の名前で各パネルが開閉し、パネルはドラッグでどこへでも動かせて互いに吸着します。パネルのタイトルをダブルクリックすると、1 枚だけを右上に固定する並べ方に変わります。
正多角形を自分自身に重ねる動きの集まりは、数学でいう群になります。二面体群と呼ばれるものです。2 つの手を続ければまた 1 つの手になり、何もしない手があり、どの手にも元へ戻す手があり、3 つ続けるときはどこから先に読んでも結果が変わりません。これが群の定義のすべてで、ここではその一行ずつが、実際に押せるものとして目の前にあります。
手は 2 つで足ります。頂点 1 つぶん回すのが r、頂点 0 を通る軸で裏返すのが s で、この 2 つが生成元です。逆へ回すのは 3 つ目の手ではありません。r' は r を n から 1 を引いた回数だけ回したものです。n 角形なら回転が n 個、裏返しが n 個で、元は合わせて 2n 個になります。いま見ている図の元の数は、手順のパネルがそのまま数えて出します。
手順を選んで繰り返すと、番号は必ず元の並びへ戻ります。戻るまでの周回数が、その手順の位数です。回すだけなら角の数と同じ回数で戻るので、六角形なら 6 回、七角形なら 7 回かかります。裏返しはどれも 2 回で戻ります。これは多角形の不思議ではありません。要素が有限なら、同じ手を繰り返せばいつかは出発点へ帰る。どんな有限群でも成り立つ話です。
回してから裏返すのと、裏返してから回すのは、別の手です。どちらも図を自分自身に重ね、どちらも 2 回で戻るのに、頂点 1 の行き先が違います。番号を追えば、それが目で分かります。これが群の非可換ということで、手の順番を書き留めておかなければならない理由でもあります。裏返しを挟むと回転は向きが入れ替わり、s r s は r ではなく r' になります。
交換子は、ある手、別の手、1 つ目の逆手、2 つ目の逆手、と並べたものです。2 つの手が互いに邪魔をしないなら、この 4 つは打ち消し合って何も起こりません。ここでは r s r' s と書きます。裏返しはもう一度裏返せば戻るので、逆手にしるしは要りません。残るのは回転で、r を 2 回ぶん回したものです。これが 2 つの手の食い違いの大きさそのものです。三角形ならその回転は 3 分の 1 周ぶんで、3 周すれば番号は元へ帰ります。
回転だけを取り出すと、群の中の群になります。部分群と呼ばれるもので、1 つの手を n 回繰り返すだけの巡回群です。残りの半分が裏返しで、こちらはどれも自分自身が逆手です。この 2 つの半分は、敷きつめ模様や結晶の対称性にも同じ形で現れます。ルービックキューブの群も、同じ考え方をもっと大きな群でたどったものです。