シリコン原子は4個の価電子を隣どうしで共有し、安定した結晶をつくる。熱のゆらぎで電子が結合から飛び出すと自由電子になり、抜けたあとが正孔として残る。しばらくすると電子は正孔に戻り、対で消える。
5価のリンをごく微量まぜると、結合に使われない電子が1個あまる。この電子は原子を離れて自由に動き、電荷を運ぶ。電子を放したリン原子は正のイオンとして格子に固定される。
3価のホウ素をまぜると電子が1個たりず、結合に空き(正孔)ができる。となりの結合から電子が順に移ってくると、空きは反対向きに進む。こうして正孔は正の電荷をもつ粒子のようにふるまう。
接合面では電子と正孔が結びついて消え、キャリアのほとんどない空乏層ができる。順方向(+)に電圧をかけると空乏層がせばまり、およそ0.6 Vを超えたところで電流が流れはじめる。逆方向(−)では空乏層が広がり、電流はほぼ流れない。
ゲートに正の電圧をかけると、絶縁体の酸化膜ごしに電子が表面へ引き寄せられる。しきい値を超えるとチャネルがつながり、ソースからドレインへ電流が流れる。この開閉がデジタル回路のスイッチになる。