司法試験 短答式 2022 憲法 第18問
財政に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.36])
- ア 予算の裏付けを必要とする法律が成立しているにもかかわらず、その執行に必要となる予算が不存在ないし不成立の場合、法律を誠実に執行すべき内閣としては、補正予算の提出、経費の流用、予備費の支出などにより、対処することが求められる。
- イ 予備費は、予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて設けられ、内閣の責任で支出されるものである。そのため、内閣は、その支出について、事後に国会の承諾を求める必要はない。
- ウ 内閣は、毎年の国の収入支出の決算について、会計検査院の検査を経た上で、翌年度国会に提出しなければならない。提出された決算については、各議院で審議され、それを認めるか否かの審査がなされるが、そこで不承認とされても、決算の効力に影響は生じない。
- 1 ア○ イ○ ウ○
- 2 ア○ イ○ ウ×
- 3 ア○ イ× ウ○
- 4 ア○ イ× ウ×
- 5 ア× イ○ ウ○
- 6 ア× イ○ ウ×
- 7 ア× イ× ウ○
- 8 ア× イ× ウ×
正答 3(配点 2)
参考
正解は3(ア○、イ×、ウ○)。ア:予算の裏付けを要する法律が成立しているのに予算がない場合、内閣は法律を誠実に執行する義務(憲法73条1号)を負うから、補正予算の提出、経費の流用、予備費の支出等により対処することが求められる。イ:予備費は、予見し難い予算の不足に充てるため国会の議決に基づいて設けられ、内閣の責任で支出することができるが、すべての予備費の支出について、内閣は事後に国会の承諾を得なければならない(憲法87条2項)。事後の承諾を求める必要はないとする記述は誤り。ウ:国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない(憲法90条1項)。決算の国会審査は事後的に政治責任を問うものであり、不承認とされても、既にされた収入支出の効力に影響は生じない。
自作の解説(憲法第73条・第87条・第90条に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和4年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第18問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00104.html