司法試験 短答式 2022 憲法 第19問
条例に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.37])
- ア 憲法第94条は、法律の範囲内で条例制定権を認めているが、ある事項について国の法令中にこれを規制する明文の規定がない場合であれば、当該事項について規制を設ける条例の規定は、国の法令に違反しない。
- イ 条例は、公選の議員をもって組織する地方公共団体の議会の議決を経て制定される自治立法であって、国民の公選した議員をもって組織する国会の議決を経て制定される法律に類するものであるから、条例によって刑罰を定める場合、法律による条例への委任は、一般的・包括的委任で足りる。
- ウ 憲法第94条は、地方公共団体に条例制定権を認めており、ある事項を条例によって規制する結果として、地方公共団体ごとにその取扱いに差異が生じることがあり得るから、ある事項について条例によって刑罰を定める場合、地域によって刑罰の内容に差異が生じることも許容され得る。
- 1 ア○ イ○ ウ○
- 2 ア○ イ○ ウ×
- 3 ア○ イ× ウ○
- 4 ア○ イ× ウ×
- 5 ア× イ○ ウ○
- 6 ア× イ○ ウ×
- 7 ア× イ× ウ○
- 8 ア× イ× ウ×
正答 7(配点 2)
参考
正解は7(ア×、イ×、ウ○)。ア:徳島市公安条例事件は、条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによって決すべきであるとした。国の法令に明文の規定がなくても、その法令が当該事項についていかなる規制も施すことなく放置すべきものとする趣旨であるときは、条例による規制は法令に違反する。明文の規定がなければ違反しないとする記述は誤り。イ:条例で罰則を定めるには法律の授権を要するが、判例は、条例が公選の議員をもって組織する地方公共団体の議会の議決を経て制定される自治立法であって法律に類するものであることから、その授権は相当な程度に具体的であり、限定されていれば足りるとした。一般的・包括的な委任で足りるとまではしていない。ウ:判例は、憲法が地方公共団体に条例制定権を認める以上、地域によって取扱いに差異が生じることは当然に予期されるところであり、条例で刑罰を定める結果として地域により刑罰の内容に差異が生じても、憲法14条に違反しないとした。
自作の解説(憲法第14条・第31条・第94条および最高裁判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 徳島市公安条例事件(最大判昭和50年9月10日刑集29巻8号489頁)
出典 法務省 令和4年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第19問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00104.html