司法試験 短答式 2023 民法 第11問
付合、混和及び加工に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.11])
- ア Aから建物の建築を請け負ったBが、Aの所有する甲土地上に自ら材料を調達して建築工事を行った場合において、未だ独立の建物とはいえない建前の段階で工事を中断したときは、その建前の所有権は、Aに帰属する。
- イ Aがその所有する甲建物をBに賃貸した場合において、BがAの承諾を得て甲建物に増築をしたときは、その増築部分に取引上の独立性がなくても、その増築部分の所有権は、Bに帰属する。
- ウ Aがその所有する種子をBの所有する土地に無権原でまいた場合において、種子が生育して苗となったときは、その苗の所有権は、Bに帰属する。
- エ Aが所有するワイン甲とBが所有するワイン乙とが混和して識別することができなくなった場合において、甲と乙について主従の区別をすることができないときは、その混和物は、その混和の時における価格の割合に応じてAとBとが共有する。
- オ AがBの所有する鋼板甲に工作を加えて作品乙を製作した場合において、工作によって生じた価格が甲の価格を著しく超えるときは、乙の所有権は、Aに帰属する。
- 1 ア イ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 ウ オ
- 5 エ オ
正答 1(配点 2)
参考
正解は1(誤りはア・イ)。ア:判例(最判昭和54年1月25日)は、請負人が自ら材料を提供して築造した、独立の建物に至らない建前の所有権は請負人に帰属するとしており、注文者Aに帰属するとする記述は誤り。イ:増築部分に取引上の独立性がないときは付合により建物所有者Aに帰属する(民法242条)から、Bに帰属するとする記述は誤り。ウ・エ・オは正しい(ウは242条、エは245条・244条、オは246条1項ただし書)。
自作の解説(民法第242条・第244条・第245条・第246条および判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 建前の所有権の帰属(最判昭和54年1月25日民集33巻1号26頁)
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第11問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html