司法試験 短答式 2023 民法 第6問
条件に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.6])
- ア AがBとの間で、Bが一定期間窃盗をしなかったら10万円をBに与える旨の贈与契約を締結した場合において、その期間窃盗をしなかったBがAに10万円の支払を請求したときは、Aは、これを拒むことができる。
- イ 停止条件付きの動産の贈与契約が締結された場合において、贈与者が信義則に反し故意にその条件の成就を妨げたときは、受贈者は、動産の引渡しを請求することができる。
- ウ 互いに同種の目的を有する債務を負担している者の間で、一定の事由が発生したら意思表示を待たずに当然に相殺の効力が生ずる旨の合意をしたとしても、相殺の効力は、その事由の発生によって当然には生じない。
- エ AがBとの間で、Bが甲大学に合格したらAの所有する動産乙をBに与える旨の贈与契約を締結した後、合否未定の間にAが乙を過失により損傷した場合には、Bが甲大学に合格しても、Aは、Bに対し、損害賠償義務を負わない。
- オ AがBとの間で、Aの気が向いたらBに10万円を与える旨の贈与契約を締結した場合において、BがAに10万円の支払を請求したときは、Aは、これを拒むことができない。
- 1 ア イ
- 2 ア ウ
- 3 イ オ
- 4 ウ エ
- 5 エ オ
正答 1(配点 2)
参考
正解は1(正しいのはア・イ)。ア:不法な行為をしないことを条件とする法律行為は無効であり(民法132条後段)、贈与は効力を生じないからAは支払を拒める。イ:条件成就により不利益を受ける当事者が故意にその成就を妨げたときは、相手方は条件が成就したものとみなすことができる(130条1項)。ウは相殺の効力が当然に生ずる旨の合意(相殺契約)は有効だから誤り、エは128条により合格すれば損害賠償を請求できるから誤り、オは債務者の意思のみに係る停止条件付贈与は無効(134条)でAは拒めるから誤り。
自作の解説(民法第128条・第130条・第132条・第134条に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第6問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html