司法試験 短答式 2023 刑法 第16問

共犯の要素従属性に関して、学生A及びBが次の【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑥までの( )内に後記【語句群】から適切な語句を入れた場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。なお、①から⑥までの( )内にはそれぞれ異なる語句が入る。(解答欄は、[No.27])【会話】学生A.(①)ことからも、共犯を処罰するためには、正犯が(②)を備える必要があると考えます。学生B.Aさんの見解によれば、甲が乙に指示して構成要件に該当する行為を実行させたが、(③)において、甲に責任を問うことができなくなり、不当ではありませんか。学生A.その場合、甲に(④)を幅広く認めることで妥当な結論を得られます。学生B.でも、乙が刑事未成年者ながら是非弁別能力があり、その意思が抑圧されていない場合にまで(④)を認めることは無理がありますね。他方で、適法な行為を援助する行為を処罰の対象とするのは妥当ではありません。私は、(⑤)べきと考えるので、共犯を処罰するためには、正犯が(⑥)を備えることが必要であり、それで足りることになります。【語句群】a.違法は連帯的に作用するが、責任は個別的に作用する b.教唆犯については刑法第61条が「犯罪」という文言を使っている c.違法性阻却事由については、行為者ごとの違法の相対性も認められる d.構成要件該当性 e.構成要件該当性及び違法性 f.構成要件該当性、違法性及び有責性 g.乙の行為に違法性阻却事由が認められる事案 h.乙の行為に責任阻却事由が認められる事案 i.間接正犯 j.幇助犯
  1. 1 ①a ③g ⑤c
  2. 2 ①b ③h ⑤c
  3. 3 ①c ④i ⑤a
  4. 4 ②d ④j ⑥f
  5. 5 ②f ④i ⑥e

正答 5(配点 2)

参考

正解は5(②f ④i ⑥e)。共犯の従属性の程度を問う。学生Aは極端従属性説に立ち、共犯の処罰には正犯が構成要件該当性、違法性及び有責性(②f)を備えることを要するとし、正犯に責任がない場合は甲に間接正犯(④i)を幅広く認めて処罰するとする。学生Bは、刑事未成年でも是非弁別能力があり意思が抑圧されていない場合にまで間接正犯を認めるのは無理があるとして制限従属性説に立ち、共犯の処罰には正犯が構成要件該当性及び違法性(⑥e)を備えれば足りるとする。

自作の解説(刑法第61条・第62条に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第16問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html