司法試験 短答式 2023 刑法 第9問
不作為犯に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものを2個選びなさい。(解答欄は、[No.19]、[No.20]順不同)
- 1 詐欺罪については積極的な欺罔行為を要するから、不作為による欺罔行為が認められることはない。
- 2 不作為による幇助犯が成立するためには、作為に出ることで確実に正犯の実行を阻止できたという関係は不要である。
- 3 結果犯における不真正不作為犯の故意について、結果の発生を積極的に意欲することは不要である。
- 4 不作為による殺人罪が成立するためには、行為者と生命の危機に瀕した者との間に親族関係や契約関係が必要であるから、行為者が、そのような関係にない重篤な患者に対する医師の治療を打ち切らせて同患者を一人暮らしの自宅に引き取った上、その生命を維持するために必要な医療措置を受けさせずに同患者を死亡させたとしても、殺人罪は成立し得ない。
- 5 不真正不作為犯の成立には、作為可能性を必要としない場合がある。
正答 2,3(配点 3)
参考
正解は2・3(正しいもの。順不同)。2:不作為による幇助犯の成立には、作為に出れば確実に正犯の実行を阻止できたという関係までは不要であるから、正しい。3:不真正不作為犯の故意も結果発生の認容があれば足り、結果の発生を積極的に意欲することは不要であるから、正しい。1は不作為(告知義務違反)による欺罔も詐欺罪の実行行為となり得るから誤り、4は作為義務は親族関係や契約関係に限らず先行行為や引受け等からも生じるから誤り、5は不真正不作為犯の成立には作為可能性(結果回避可能性)が不可欠であるから誤り。
自作の解説(刑法第199条・第246条および判例に基づく)
関連条文
関連判例
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第9問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html