司法試験 短答式 2024 民法 第12問

地役権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
  1. 地役権者による承役地の使用は、地役権の目的を達成するのに必要であり、かつ、承役地の所有者のために損害が最も少ない範囲に限られる。
  2. 地役権は、設定行為に別段の定めがあるときを除き、要役地について存する地上権の目的となる。
  3. 承役地の所有者が設定行為により自己の費用で地役権の行使のために工作物を設ける義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。
  4. 要役地が数人の共有に属するときは、共有者全員について消滅時効の更新事由がなければ、時効の更新は、その効力を生じない。
  5. 通行地役権は、承役地となる土地の所有者によってその土地の上に通路が開設されたときでなければ、時効によって取得することができない。
  1. 1 ア イ
  2. 2 ア ウ
  3. 3 イ オ
  4. 4 ウ エ
  5. 5 エ オ

正答 5(配点 2)

参考

正解は5(誤りはエ・オ)。エ:要役地が共有の場合、共有者の一人について時効の更新事由があれば全員のために更新の効力を生ずるから(民法284条)、全員について更新事由が必要とするのは誤り。オ:通行地役権の時効取得には継続かつ表現の要件として要役地所有者による通路の開設が必要であり、承役地所有者が開設したときでなければ取得できないとするのは誤り。アは承役地の使用の範囲、イは要役地上の地上権の目的となる点(民法281条)、ウは工作物設置義務の特定承継人への承継(民法286条)で、いずれも正しい。

自作の解説(民法の地役権に関する規定と判例に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第12問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html