司法試験 短答式 2024 民法 第37問
保存行為に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
- ア 権限の定めのない代理人は、保存行為をする権限を有する。
- イ 共有者は、その持分の価格が過半数に達しない場合であっても、他の共有者の承諾を得ることなく、共有物の保存行為をすることができる。
- ウ 動産の所有者に対し、その動産の保存によって生じた債権を有する者は、その動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
- エ 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとする場合であっても、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は、これを拒むことができる。
- オ 相続人が相続財産の一部を処分した場合には、それが保存行為に当たるときであっても、その相続人は、単純承認をしたものとみなされる。
- 1 ア ウ
- 2 ア オ
- 3 イ ウ
- 4 イ エ
- 5 エ オ
正答 5(配点 2)
参考
正解は5(誤りはエ・オ)。エ:賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは賃借人はこれを拒むことができず、そのために賃借の目的を達することができなくなるときは賃借人は契約の解除ができるにとどまるから(民法607条)、拒むことができるとするのは誤り。オ:保存行為は法定単純承認の原因となる相続財産の処分から除かれ、保存行為に当たるときは単純承認をしたものとみなされないから(民法921条1号ただし書)、みなされるとするのは誤り。アは権限の定めのない代理人の保存行為(民法103条)、イは共有者による保存行為(民法252条)、ウは動産保存の先取特権(民法320条)で、いずれも正しい。
自作の解説(民法の保存行為に関する規定に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第37問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html