「ご査収(さしゅう)」は「受けとって調べる(または調べて受けとる)」という意味のビジネス用語です。口語ではほとんど使われず、文書やメールで使われます。
使う場面
お金や物を相手から受けとるときに使う。多くの辞書は「(物品などを)調べてから受けとる」と定義していますが、メールなどの電子的なやりとりが多くなった現代では「受けとって調べる」ことも査収のうちに入るでしょう。実際は
- 荷持を送ったとき
- 書類を送ったとき
- 以前に重要なメールを送って、そのメールをあらためて確認してほしいとき
- 今送ろうとしているメールに添付ファイルがあるとき
の確認メールで「ご査収ください」を使うことが多い。近年ではメールにファイルを添付し、そのファイルをすぐに確認してほしいときによく使います。
「ご査収」は「受けとる」、「ご査収ください」は「受けとってください」の丁寧な代用と考えられます。
例文
ください
- ご査収ください
- ご査収くださいますようお願いします
「ご査収ください」は最もポピュラーで、無難な言いまわしの一つ。「くださいますようお願いします」という百貨店の案内で流れるようなフレーズは、疎な間柄を意識させるため、やや注意が必要かもしれない。
お願いします
- ご査収お願いします
- ご査収お願いいたします
文法的に誤りと言えるかはわかりませんが、何だか片言みたいに聞こえてしまいますよね。ご査収の後ろには入れれる時は、「の程」を入れた方がきれいになるかと思います。
引用元:ご査収くださいの意味とは?間違いやすい使い方と言い換え表現も|ビジネス文書例文-エンタメ娯楽街道 五十三次
上記のサイトのように違和感を持つ人もいる表現が「ご◯◯お願いします」の形。「ご確認お願いします」「ご査収お願いします」の違和感を除くためには、次の例文のように「ほど」をつけます。
- ご査収のほどお願いします
- ご査収のほどよろしくお願いします
しかし「のほど(の程)」も、アレルギーを持つ人が意外に多くいます。それは、「程」がこの文脈においてほとんど意味を持たず、卑屈な姿勢を円滑に伝えるための手段になりきっているからです。
よろしく
- ご査収よろしくお願いします
- ご査収よろしくお願いいたします
- よろしくご査収ください
「程」よりも洗練された便利グッズが「よろしく」です。「ご査収」の場合、「よろしく」は前後につくことができます。「ご確認下さい」は間違っていないにならって、若い人は「宜しく」ではなく「よろしく」としたほうが自然かもしれない。
不適切な言い方
「ご査収」から「ご」をとって「査収」を単独で使うことは一般的ではありません。
△査収ください
△よろしく査収のほどお願いいたします
使用を控える場面
今まさに送ろうとしているメール(書類)のほかに、確認してほしいもの(書類、物、お金など)がない場合、「ご査収」を使うことは基本的にできません。
単にメール文を確認してほしい場合は「ご確認ください」を使います。
受領
送信側が査収を使うのに対して、受信側は受領(じゅりょう)という言葉を使います。「査収」は「ご」をつけますが、「受領」は「ご」をつけない。
- 受領しました
- 受領いたしました
- 拝見しました
- 確かに受けとりました
受領と似た言葉に拝見がありますが、送信側が査収を使っている場合は「きちんと確認して」と言いたいことが多い。「(単に)見ました」という意味の拝見よりは、「きちんと受けとりました」という意味の受領のほうが無難といえます。
受領ばかり使うようになったら「確かに受けとりました」といった言葉もあります。