高校 3 年生になると、物を落とすたびに嫌な気持ちになりますね。直前期はますます神経質になって「物を触るのも怖い」という人もいると思います。
実際、本番当日に消しゴムを落としても、受かる人は受かります。消しゴムを落としたかどうかは合否に(直接は)影響しない。

受験日に足を滑らせて転んでも、受験票をトイレに落としても、気にしないで。あなたが三十分おきに鉛筆を落とした事実を、採点官は知るよしもない。
「落としたら受験に失敗するかも……」という考えは、あなたが弱っているときに襲ってきます。心を強くすれば、「この程度、どうということはない」とあっけらかんと対応できます。
どうすれば心を強くできるか?
臨機応変の意識を体得すれば、心が強くなります。なにかあっても迅速に行動する習慣があれば、受験票が落ちて泥だらけになっても、冷静に臨めるはず。
状況に合わせて適切な行動をとるには場数が必要です。そのため、本番前に模擬試験を数多くこなすことをおすすめします。
ただ、「想定外の想定」つまり「イレギュラーな問題への解決策をあらかじめ確立すること」はもっと大事です。
私は駿台などの模擬試験を通して「イレギュラーマニュアル」をつくりました。本番当日に起こりうる問題をリストにして、対処法を用意していました。
「地震が起きたとき、どこに逃げるか」といった災害対策と同じように、受験の危機管理を万全にしてください。そうすれば当日に消しゴムが落ちてもへっちゃらです。
以上をまとめると
となります。

最後に私の危機管理を紹介します。
私は高校や予備校の試験で、数分から数十分、あえてなにもしないで過ごす、といった実験をくりかえしました。受験票や鉛筆を落とした場合、数分のロスが発生するからですね。
完璧な状態で模擬試験を受けても、合否確率の期待値はわかりません。本番は必ず、模擬よりも悪いコンディションで挑みます。