企業が物やサービスを売り、消費者が買う。戦後は供給が需要に追いつかない状態が続いたため、現代よりも企業は優位であり、質の悪い製品や誇大広告(必要以上にその商品が優れていると宣伝すること)が氾濫した。これは日本に限らず、1950年以降の欧米でも見られた。
その商品が実は使いものにならなかった、使用が許されない物質が入っていた、という消費者の損失が起きる原因の一つは、生産者と消費者の間に情報の非対称性があるからである。生産者は商品のほとんどすべての情報を知っているが、消費者は見た目などの一部しか知らない。消費者は一部の情報だけを頼りに商品を買うため、企業が悪い情報を隠していた場合に損してしまう。
そうした背景から、1960年頃より消費者保護の運動が活発になっていく。
四つの権利
消費者保護の歴史はケネディ大統領が1962年に発表した「消費者の四つの権利」に遡る。
- 安全にいる権利
- 情報を知る権利
- 選ぶ権利
- 意見を聞いてもらう権利
(参考:英語)
- Right to safety
- Right to be informed
- Right to choose
- Right to be heard
この声明から消費者保護の運動が広がり、日本も各地方自治体に消費生活センターを設置した。
日本の法令と団体
1968年 消費者保護法
1970年 国民生活センター設置
2001年 消費者契約法
2004年 消費者基本法
2009年 消費者庁設置