中学受験の算数は素早い計算が求められます。例えば次の問題はどのように計算するべきでしょうか?
12 + 45 + 68 + 25
そのまま計算すると下のようになります。
12 + 45 = 57
57 + 68 = 125
125 + 25 = 150
しかしもっと簡単なやり方があります。式の順番を入れかえるという方法です。
12 + 45 + 68 + 25
= 12 + 68 + 45 + 25
= (12 + 68) + (45 + 25)
= 80 + 70
= 150
12 と 68 を足すと一の位が 0 になります。同じように 45 と 25 を足しても一の位が 0 になります。一の位が 0 になると、その後の足し算はとても簡単になりますね。
足し算は、足していく順番に関係なく同じ答えが出てきます。ここがとても大切であり、このルールを「交換法則」といいます。交換法則をうまく使って次の例題を解いてみてください。
問題
64 + 21 + 16 + 39
18 + 77 + 34 + 23 + 82 + 66
解答
64 + 21 + 16 + 39
= (64 + 16) + (21 + 39)
= 80 + 60
= 140
18 + 77 + 34 + 23 + 82 + 66
= (18 + 82) + (77 + 23) + (34 + 66)
= 100 + 100 + 100
= 300
3.14のかけ算
半径5cmの円から半径3cmの円を抜いた部分の面積はどのように求めるでしょうか?
大きいほうの円と小さいほうの円の面積を求めて、引いてみましょう。
大きいほうの円
5 × 5 × 3.14 = 78.5
小さいほうの円
3 × 3 × 3.14 = 28.26
赤い部分の面積
78.5 - 28.26 = 50.24
となります。しかしこれは次のように式をまとめて計算すると楽です。
5 × 5 × 3.14 - 3 × 3 × 3.14
= (5 × 5 - 3 × 3) × 3.14
= (25 - 9) × 3.14
= 16 × 3.14
= 50.24
同じ数で式をまとめられることを分配法則といいます。面積の問題では分配法則をよく使うため、試験では次のように意識しましょう。
- 答えをすぐに出そうとしない
- 最初に式を作る
- 円がからむ問題の多くは分配法則を使う