プラトンはソクラテス、アリストテレスと並ぶギリシャの哲学者ですが、プラトンの思想はおおまかにどういうことでしょうか?
プラトンのイデアは、物事の本質を表す
プラトンのイデアは「本質」です。三角形のイデアは「辺が三つある図形」です。
いろいろな三角形があります。正三角形、鋭角三角形、鈍角三角形、二等辺三角形……。とはいえ、それらは三角形です。三つの辺をもつ図形はすべて三角形だからです。この「定義」をイデアといいます。
イデアはわかった。で、それが何だっていうの?
私たちは感覚と理性を持っています。感覚は「あ、これはリンゴだ」とわかります。理性は「あ、これは丸くて赤くて、ニュートンが落としたらしいリンゴだ」と考えます。感覚は「リンゴとはなんぞや」と考えない。そのままボケーッと見る。でも理性はその本質、つまり「リンゴのイデア」を知ろうとする。
私たちはダメダメな存在だから、理性的に物事をとらえない。プラトンはそれを「洞窟の比喩」で表現しました。感覚しかない人間は洞窟の中にいる。中は真っ暗だけど、洞窟の外から光が入っているので、洞窟にあるものははっきりと見えないけど、その影は見える。
その影こそが私たちが普段見たり聞いたりしているもので、影でない本物(つまりイデア)は認識できない。結局、人間はイデアという本質の影だけを見て、それが世の中だと勘違いしている。プラトンのイメージはだいたいこんな感じだと思う。
階級と理想
プラトンは人間の階級を定義した哲学者でもあります。
- 生産者
- 軍人
- 王
- 国家
まず生産者があり、軍人がいる。それらが仕える王がいる。このバランスがうまく機能した集団が国家です。それぞれの階級は特徴があり、それを超越する時、国は良くなると考えました。
- 生産者 → 欲深い → 節制しなさい
- 軍人 → 気概がある → 勇気を持て
- 王 → 理性がある → 知恵を持て
こうしたバランスがとれている時、国は理想になります。