本を読んでも、他のウェブサイトを見ても「作用反作用の法則」がわからなかった人に向けて、とんでもなくざっくり説明します。
まず、あなたの友だちをそのへんに寝かせてください。で、あなたは友だちの背中に乗ってください。
あなた「俺、50 キログラムだから」
友だち「うう…重い。たぶん 50 キログラムくらいだろうなと思った」
ってなりますよね。あなたは友だちに 50 キログラム相当の力を下向きにかけています。この力はあなたがかけている。他の誰でもないあなたが為している力です。
ここまでオッケーですか?
ここから難しいよ。あなたは友だちの背中から 50 キログラム相当の力を上向きに受けています。
う〜ん、難しいね。なので整理する。
- 下向きに 50 キログラムかけている
- 上向きに 50 キログラム受けている
なんとなくわかってきましたか? これを作用反作用の法則といいます。別名「一倍返し」です。倍返しじゃなくて一倍返し。同じぶんだけ返される。
☆力をかけるなら、力を受ける
作用反作用の法則は要するに
力をかけるなら、力を受けるよ
ということです。『やるなら、やられろ』という感じ。『する、される』という感じ。『押す、押される』感じ。
『俺はあんたを押す。だがその反対は許さない』というのナシ。そういう卑劣な根性は、ニュートン力学において、神への反逆とみなされる。
作用反作用の法則がなかったら、友だちの背中に乗っても止まらず、足は友だちの背中を地面にめりこませて、最後は二人仲良く地球の中心に到達
作用反作用の法則がなかったらどうなるか考えよう。
友だちに乗る。でもってあなたは友だちに向かって 50 キログラムの力を「ふんっ」とかける。だが、あなたは作用反作用の法則のない世界にいるので、上向きの力がこない。
「俺はアンタを押す。でもってアンタは俺を押さない! だって俺 TUEEE もん!」
と神に反逆したため、あなたは下向きの力がかかっているぶん、すごいスピードでめりこみます。地球の中心まで地面を掘りまくって、最後はロケットなみの速度になってマグマと一体化します。これが神に反逆した罰だよ。
あと、友だち死んでます。
あなたにも友だちにも死んでほしくないので、作用反作用の法則はないと困るね。
落下と作用反作用の法則(超難しい話。読まなくていいです)
川の吊り橋から落ちるとき、あなたは下向きの力をどこにかけているのか?
空気は無視します。地面はないのでなにもない。あなたは無に向けて 50 キログラムの力をかけています。
俺「50 キログラムの力をかけてやるぜ!」
と言っても相手は無。相手が無の場合、作用反作用の法則もへったくれもない。だって相手はないんだもん。
だからあなたは純粋に 50 キログラムの力をかけています。あなたは「俺 TUEEE だろ!?」と真っ逆さまに下に落ちていきます。これが自由落下です。
力が働くってこういうことなんです。
「力が働く」というと、大自然が物体になにかを送っているイメージがある。「物体が力をどこかにかけている」というイメージがなくなる。ここが混乱の種になる。
ここからは「作用反作用の法則とはなにか?」というレベルをはるかに超えるけど、この「なにを主体にするか?」問題が物理の究極的な本質だと思うんです。
物体が力をかけている、という物体主体の見方にすると、地面についた作用反作用の法則はしっくりきます。しかし自由落下では、主体の相手を「無」にしないといけない。無じゃなかったら作用反作用の法則が働いて、つりあい、静止してしまう。これだと落下現象が起きない。
…この説明を聞いて「キミの説明、深いようで間違っているよ」と思った物理の先生は私に連絡をお願いします。すぐに訂正します。