今年は東京大学の新入学生にこんな言葉を贈ります!
得意なものにたくさん挑戦しよう
私は理科一類に入って数学を勝手に勉強していました。代数学は得意でしたが、複素解析学でつまづきました。
それまで私は「オレより数学できる人はたぶん地球上にいない」と思っていたので、アイデンティティーが喪失しました。数学科に入ると、複素解析をなんなくクリアしている人がそこそこいて、私は一気に冷めました。
そこで私は公認会計士の勉強を始めます。私は数学も好きですが、昔も今も money はもっと好きなので、金を扱う仕事につくのも悪くないと思ったのです。しかし失敗しました。家の事情もあって、半年で合格しなかったら諦めるという中でやっていました。
数学と会計、両方で失敗した私は今、Python などのプログラミング言語でいろいろ開発しています。ところで、私は数学科に入る前、進学ふりわけで数学科と情報学科で悩んでいました。というかどっちでもよかった。実は、母は情報学科に行けと言っていた。理由は「つぶしがきくから」。
情報学科でなく数学科に行く
↓
複素解析につまづく
↓
公認会計士を目指す
↓
失敗する
↓
結局プログラミング
読者(新入学生)「ふむふむ、得意なものに進んでも、将来そこを足場にしているとは限らないのだな」
と思ったと思います。
しかし話はここで終わらないのです。私は投資をやっています。そしてある程度うまくいっています。いろいろ失敗もあったけど、トータルではインデックス(NASDAQ とか)に勝っている。もちろん今後どうなるかはわからない。
投資で結果が出ているのは、明らかに、公認会計士の勉強で貯めた知識のおかげ。財務諸表の見方や細かい会計処理を知っているので、企業の決算が読める。投資において、会計報告がわかるのとわからないのは天地の差がある。
プログラミングでも数学の知識がいきています。いくつかのアプリケーションでは(あまり難しくないけど)線形代数を利用しました。
今では数学も会計もなくてはならない知識です。
あなたが理科一類なのか二類なのか、文系なのかはわからないけど、得意なものはたくさん挑戦するべきです。それは何年か経って役立つかもしれない。たぶん人生は勉強した量と方向によって相応に動く。大人になると「生活のために動く」ので、「将来のために動く」期間、つまり大学にいる時間は徹底的に有意義に過ごす必要があります。