仕事でうまくいかない、勉強しても成績が伸びない…といった悩みは、孫子が少し解決するかもしれない。孫子は古代中国で生まれた戦争論に関する本で、君主や将軍のとるべき戦術がのっています。
私が個人的に重要だと思っている孫子の思想を紹介します。
★勝利は敵にあり、敗北は自分にある
★攻めは非正攻法、守りは正攻法
★戦争の基本は集中攻撃
※自己啓発のにおいが出ちゃうかもしれませんが、私は自己啓発セミナーをやりたいわけでも、なにかを偉そうに説きたいわけでもありません。この記事は、ひさしぶりに孫子を読んで頭を整理したい気持ちから生まれました。
勝利は敵にあり
出世レースに悩んでいる方は「勝利は敵にあり」という言葉にピンとくるかもしれない。自分が勝つときは敵(ライバル)が油断して負けたとき。逆に言えば、相手が失敗するまで自分は油断してはいけないということですね。
会社内部の競争だけでなく、会社どうしの売上競争でも「ライバルが失敗するまで自分(自社)に勝利はない」という格言は活きそうです。いい商品を開発し、すばらしいマーケティングを実行しても、競争社会においては当たり前とみなされてしまう。しかしなにか重大な不足や欠点があったら、それは敵にとっての勝利条件になる。
なんておそろしい原理でしょうか。
非正攻法の攻撃
「勝利は敵にあり」に近い哲学が「非正攻法の攻撃」です。攻撃をしかけるときは変わったやり方が必要になる、という話は資本主義の競争でも受験競争でも通用すると思います。
今はブルーアーカイブの攻略日記ばかり書いている私ですが、何年か前は受験系の記事をぽつぽつ書いていました。そこでいくつか私の変わった勉強法を紹介しました。「苦手な分野は勉強しない」とか、いろいろ…。
私的な意見にすぎませんが、受験には王道がなく、個人に最適化された勉強法をとるかどうかが受験のポイントだと思っています。正攻法ではきつい。非正攻法でいかないと苦しい時間をすごすことになる…というのが時を経て感じていることです。
集中攻撃
私が人生で最も影響された思想は三番目の「集中攻撃」です。集中攻撃はこれまで何回も言及しましたが、また出てきました。集中投資型の会社で言えば、Apple、初期のMicrosoft、初期のGoogle、NVIDIA、Tesla、マクドナルド、コカコーラ、昔のスタンダードオイル、ときりがありません。
超がつく大企業は、少なくとも成熟するまでは、集中投資型ではいあがっていることがきわめて多い。
資格勉強を考え中の社会人の方は、この思想を「たくさん資格をとるのでなく、一つに的を絞って、時間をそこに全部あてるほうが最適である」と解釈してもいいと思います。
仕事で忙しい方は、なんでもかんでも手につけるのでなく、最重要の目的に向かって全力疾走するほうが効率よくすごせるかもしれません。
受験生は、改善のみこみがない苦手な分野を思いきって捨てて、得意な分野を伸ばしていく決断を強いられる場面が出てくるでしょう。
仕事でも勉強でも、問題の本質は「有限の能力と時間と金」にあります。資源の有限性こそが競争のクリティカルポイントで、ここを意識するかしないかが局所的な勝敗をいつも決定していきます。
私たちにとって「敗北」は最悪の記憶となり、その後も影響します。敗北を防ぐ方法をいつも考えれば、おそらく私たちの人生は良くなっていく。そして勝利するには、手持ちの資源(能力、時間、金)を勝率のいいところに集中させることが必要です。