一次独立と一次従属|定義から行列式・階数による判定まで計算例つき
ベクトルを何本か並べたとき、そのうちの 1 本が他のベクトルで作れてしまうことがある。作れないとき一次独立、作れてしまうとき一次従属という。
言葉は堅いが、やっていることは「無駄なベクトルが混じっていないか」を調べるだけである。線形代数のほとんどの話は、この判定の上に組み立てられている。
以下では一次結合の定義から始め、16 個の計算例を 1 つずつ手で追う。判定法は連立方程式・行列式・掃き出し法の 3 通りを扱う。
一次結合とは
個のベクトル と実数 に対して、次の形の式を一次結合という。
を係数と呼ぶ。ベクトルを定数倍して足し合わせる、というだけの操作である。
線形結合ということもある。同じものを指しており、教科書によって呼び方が違うだけだ。
計算例: 2 本のベクトルで作る
, から を作ってみる。
とおくと、成分ごとに次の連立方程式になる。
下の式から を得る。これを上の式へ代入すると となり、、すなわち である。
したがって となる。検算すると で、たしかに合っている。
一次結合で作れる範囲
係数 をあらゆる実数で動かしたとき、一次結合が作るベクトル全体を、そのベクトルたちが張る範囲という。
と の場合、この 2 本は向きが違うので、平面上のどんな点にも届く。前節の計算はその一例である。
ところが と のように一方が他方の定数倍だと、事情が変わる。どちらも同じ向きなので、原点を通る 1 本の直線から出られない。
<svg viewBox="0 0 700 306" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" style="max-width:100%;height:auto;display:block;margin:0 auto"><defs><marker id="li-a" viewBox="0 0 10 10" refX="9" refY="5" markerWidth="7" markerHeight="7" orient="auto"><path d="M 0 0 L 10 5 L 0 10 z" fill="#1b81e0"/></marker></defs><rect x="30" y="46" width="300" height="200" fill="#ebf5ff" stroke="none"/><line x1="30" y1="226" x2="330" y2="226" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="110" y1="46" x2="110" y2="266" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="110" y1="226" x2="150" y2="146" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-a)"/><line x1="110" y1="226" x2="230" y2="186" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-a)"/><text x="146" y="138" font-size="12" fill="#1b81e0">(1, 2)</text><text x="236" y="182" font-size="12" fill="#1b81e0">(3, 1)</text><text x="180" y="34" font-size="13" fill="#1f1f1f" text-anchor="middle">向きが違う 2 本</text><text x="180" y="288" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">平面のどこへでも届く</text><line x1="380" y1="226" x2="680" y2="226" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="460" y1="46" x2="460" y2="266" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="380" y1="316" x2="560" y2="-44" stroke="#ebf5ff" stroke-width="14"/><line x1="460" y1="226" x2="500" y2="146" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-a)"/><line x1="460" y1="226" x2="540" y2="66" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-a)"/><text x="504" y="150" font-size="12" fill="#1b81e0">(1, 2)</text><text x="546" y="70" font-size="12" fill="#1b81e0">(2, 4)</text><text x="530" y="34" font-size="13" fill="#1f1f1f" text-anchor="middle">同じ向きの 2 本</text><text x="530" y="288" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">1 本の直線から出られない</text></svg>同じ 2 本でも、張る範囲が平面になるか直線になるかが分かれる。この差を判定するのが一次独立という概念である。
計算例: 作れないベクトル
と から を作れるか試してみる。
である。ここで第 2 成分は第 1 成分のちょうど 2 倍になっている。
つまり作れるのは の形のベクトルだけだ。 を作るには かつ が必要で、これは成り立たない。
前の節では作れて、ここでは作れない。使うベクトルの選び方で、届く範囲がまったく変わる。
次元をそろえる
一次結合を考えるときは、ベクトルの次元をそろえておく必要がある。
2 次元ベクトルと 3 次元ベクトルは足せない。成分の個数が違うので、対応する成分どうしを足すという操作が定義できないからである。
以下では、断りのないかぎり同じ次元のベクトルだけを並べる。
一次独立の定義
ベクトル が一次独立であるとは、次が成り立つことをいう。
一次結合がゼロベクトルになるのは、係数が全部ゼロのときに限る、という条件である。
線形独立ということもある。
定義の読み方
係数が全部ゼロなら一次結合がゼロになることは、どんなベクトルでも当たり前に成り立つ。 だからである。
だから定義で意味があるのは逆向きだけだ。ゼロにする方法が、この当たり前のもの以外にあるかどうかを問うている。
ゼロにする係数の組が しかない。当たり前の作り方以外に道がない
ゼロにする係数の組が、ほかにもある。どこかに でない係数を含む組が存在する
「係数が全部ゼロ」という自明な解しか持たないかどうか。ここだけを見ればよい。
直観: 無駄なベクトルがない
一次独立を言い換えると、どの 1 本も他のベクトルたちで作れない、ということになる。
もし が他で作れたとしよう。 と書けるなら、移項して となる。
このとき の係数は で、ゼロでない。自明でないゼロの作り方が見つかったので、一次独立ではない。
逆に一次独立なら、どの 1 本も他では作れない。全員が仕事をしていて、誰も余っていない状態である。
直観: 表し方が 1 通りに決まる
もう 1 つの見方は、表現の一意性である。
が一次独立なら、それらの一次結合で書けるベクトルの表し方は 1 通りしかない。
2 通りの表し方 があったとすると、差を取って になる。一次独立性から 、つまり である。
座標が 1 通りに決まる、ということでもある。基底の話につながる性質で、あとで詳しく見る。
一次従属の定義
一次独立でないとき、そのベクトルたちは一次従属であるという。
条件として書き下ろすと、少なくとも 1 つは でない実数 を使って次が成り立つ、ということになる。
「少なくとも 1 つは でない」が要である。全部ゼロでよいなら、どんなベクトルでも条件を満たしてしまう。
一次従属なら 1 本を他で表せる
一次従属であれば、どれか 1 本を他のベクトルで表せる。
としてよい。上の式を移項すると となる。
両辺を で割ればよい。
右辺のマイナス符号を落とさないこと。移項したぶんの符号なので、消えたりはしない。
独立と従属は互いの否定
一次独立と一次従属は、片方が成り立たなければもう片方が成り立つ、という関係にある。
「ゼロにする係数の組が自明なものだけ」の否定が「自明でない組がある」だからである。中間はない。
したがって判定は二択になる。一次独立を示すか、自明でない関係式を 1 つ見つけて一次従属を示すか、どちらかだ。
2 本なら平行かどうかで決まる
ベクトルが 2 本のときに限れば、判定はとても簡単になる。
2 本は平行でない。向きが違うので、一方を定数倍しても他方にならない
2 本は平行である。一方が他方の定数倍になっている(零ベクトルの場合も含む)
で なら となり、 は の定数倍である。これが平行ということだ。
ただしこの言い換えが使えるのは 2 本のときだけである。3 本以上では通用しない。この点はあとで詳しく扱う。
計算例: 平行でない 2 本
, を調べる。 とおく。
上の式から である。下の式へ代入すると 、つまり となり を得る。
すると でもある。ゼロにする方法は自明なものしかないので、この 2 本は一次独立である。
計算例: 平行な 2 本
, を調べる。見た目のとおり である。
移項すると となる。係数は で、どちらもゼロでない。
自明でないゼロの作り方が見つかったので、この 2 本は一次従属である。実際 となる。
一次従属を示すときは、こうして関係式を 1 つ挙げれば済む。すべての場合を調べる必要はない。
零ベクトルが混じる場合
零ベクトルを含むベクトルの組は、必ず一次従属である。
としよう。係数を 、他をすべて とすると、 が成り立つ。
なので、自明でないゼロの作り方になっている。他のベクトルが何であっても関係ない。
零ベクトルは「向き」を持たないので、平行かどうかという言い換えでは扱いにくい。定義に戻れば迷わない。
計算例: 1 本だけの場合
ベクトルが 1 本 だけのときも定義は使える。 を考える。
なら、 から が出る。よって一次独立である。
なら でも成り立つので、一次従属になる。
つまり 1 本だけの場合、一次独立であることと零ベクトルでないことが同じ意味になる。
3 本以上では平行だけでは足りない
ここからが、初めて学ぶときに最もつまずきやすいところである。
3 本以上のとき、「どの 2 本も平行でない」から一次独立を結論することはできない。2 本ずつ調べても足りないのである。
理由は、3 本目が最初の 2 本の一次結合で作れてしまう場合があるからだ。1 本ずつ比べているだけでは、この事情が見えない。
次の計算例で確かめる。
計算例: どの 2 本も平行でないのに従属
, , を考える。
どの 2 本を取り出しても平行でない。 と は直交しているし、 はどちらの定数倍でもない。
ところがこの 3 本は一次従属である。 なので、移項すれば関係式が得られる。
係数 はどれもゼロでない。検算すると である。
<svg viewBox="0 0 700 296" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" style="max-width:100%;height:auto;display:block;margin:0 auto"><defs><marker id="li-b" viewBox="0 0 10 10" refX="9" refY="5" markerWidth="7" markerHeight="7" orient="auto"><path d="M 0 0 L 10 5 L 0 10 z" fill="#1b81e0"/></marker></defs><polygon points="180,60 560,120 520,250 140,190" fill="#ebf5ff" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="300" y1="180" x2="420" y2="200" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-b)"/><line x1="300" y1="180" x2="330" y2="110" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-b)"/><line x1="300" y1="180" x2="450" y2="128" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-b)"/><circle cx="300" cy="180" r="4" fill="#1f1f1f"/><text x="428" y="216" font-size="12" fill="#1b81e0">a1</text><text x="330" y="102" font-size="12" fill="#1b81e0">a2</text><text x="458" y="124" font-size="12" fill="#1b81e0">a3 = a1 + a2</text><text x="286" y="196" font-size="12" fill="#1f1f1f" text-anchor="end">O</text><text x="350" y="42" font-size="13" fill="#1f1f1f" text-anchor="middle">3 本が同じ平面に乗っている</text><text x="350" y="280" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">どの 2 本も平行でないが、3 本目は最初の 2 本で作れてしまう</text></svg>図のように、3 本が同じ平面に乗ってしまうと一次従属になる。2 本ずつの比較では、この「同じ平面に乗る」という状況を捉えられない。
判定は必ず 3 本まとめて行う必要がある。次の節から、そのための道具を用意する。
計算例: 3 本が一次独立
今度は独立になる例を見る。, , とする。
を成分ごとに書く。
第 3 式から である。これを第 2 式に入れると を得る。さらに第 1 式に入れると になる。
下から順に決まっていき、すべてゼロになった。よってこの 3 本は一次独立である。
計算例: 平面上の 3 本
のベクトルは、3 本以上並べると必ず一次従属になる。
, , の例がまさにそうだった。これは偶然ではない。
未知数 に対して方程式は成分の個数だけ、つまり 2 本しかない。未知数のほうが多い斉次連立方程式は、必ず自明でない解を持つ。
一般に 次元のベクトルを 本以上並べれば、同じ理由で必ず一次従属になる。この事実はあとでもう一度扱う。
判定法 1: 連立方程式
ここまで使ってきたのが、この方法である。
を成分ごとに書き下ろすと、 についての斉次連立一次方程式になる。
一次結合をゼロとおく
成分ごとに書いて斉次連立方程式にする
解が だけなら一次独立
自明でない解があれば一次従属
自明でない解が見つかったときは、その解の値がそのまま関係式の係数になる。どのベクトルがどう余っているかまで分かるのが利点である。
計算例: 連立方程式で判定する
, , を調べる。
第 2 式から第 1 式の 2 倍を引くと 、すなわち である。
第 3 式から第 1 式の 3 倍を引くと となるが、これは先ほどの式の 2 倍にすぎず、新しい情報を持たない。
と選ぶと で、第 1 式から となる。関係式は次のとおりである。
検算すると である。よって一次従属である。
判定法 2: 行列式
ベクトルの本数と次元が等しいときは、行列式が使える。
次元のベクトルを 本並べて正方行列の列にする。この行列の行列式がゼロでなければ一次独立、ゼロなら一次従属である。
理由は、行列式がゼロでないことと、斉次連立方程式が自明解しか持たないことが同値だからである。手早く判定したいときに便利な道具になる。
本数と次元が違うときは正方行列にならないので、この方法は使えない。次に見る階数の方法へ進む。
計算例: 2 次の行列式
, を列に並べる。
なので一次独立である。連立方程式で調べた結果と一致している。
, なら次のようになる。
行列式がゼロなので一次従属である。2 次の場合、この計算は「たすきがけの差」で済む。
計算例: 3 次の行列式(独立)
, , を列に並べる。
各項を計算すると である。
なので、この 3 本は一次独立である。第 1 行に沿った余因子展開を使った。
計算例: 3 次の行列式(従属)
先ほど連立方程式で調べた , , を、行列式でも確かめる。
計算すると となる。
行列式がゼロなので一次従属である。連立方程式で得た関係式と結論が一致した。
行列式は独立か従属かを教えてくれるが、関係式そのものは教えてくれない。関係式まで欲しいときは連立方程式か掃き出し法を使う。
判定法 3: 掃き出し法と階数
本数と次元が違っても使えるのが、この方法である。
ベクトルを行として並べた行列に行基本変形を施し、階段行列にする。残った でない行の本数が階数である。
階数がベクトルの本数と等しければ一次独立、小さければ一次従属になる。階数は「実質的に何本ぶんの情報があるか」を数えている。
計算例: 階数で判定する
, , を行に並べて掃き出す。
第 2 行から第 1 行の 4 倍を引くと になる。第 3 行から第 1 行の 7 倍を引くと である。
さらに第 3 行から第 2 行の 2 倍を引くと になる。残った でない行は と の 2 本だ。
階数は 2 で、ベクトルの本数 3 より小さい。よって一次従属である。3 本並べても、実質的な情報は 2 本ぶんしかない。
, , について、正しいものはどれか。
- どの 2 本も平行でないので一次独立である
- のベクトルが 3 本あるので必ず一次従属である
- 行列式を計算すれば独立かどうか分かる
- 零ベクトルを含まないので一次独立である
本数が次元を超えると必ず従属
前の節で見た事実を一般の形で述べておく。
次元のベクトルを 本並べたとき、 ならば必ず一次従属である。
を成分で書くと、未知数が 個、方程式が 本の斉次連立方程式になる。
未知数の個数が方程式の本数より多い斉次連立方程式は、自明でない解を必ず持つ。だから一次従属になる。
計算例: 4 次元で 5 本
の 5 本を具体的に見る。標準的な 4 本に、それらの和を足したものを取る。
, , , とし、 とする。
なので、移項すれば関係式が得られる。
の係数が でゼロでないので、この 5 本は一次従属である。 をどんなベクトルに変えても結論は変わらない。
基底とは
一次独立なベクトルの組で、しかも空間全体を張るものを基底という。
「一次独立」は無駄がないこと、「張る」は足りていることを表す。基底とは、多すぎず少なすぎない、ちょうどよい組のことである。
どの 1 本も他では作れない。ベクトルが多すぎると壊れる条件
どんなベクトルも一次結合で作れる。ベクトルが少なすぎると壊れる条件
では、 本の一次独立なベクトルがあれば自動的に基底になる。本数がちょうど次元に一致するからである。
計算例: 標準基底で表す
の標準基底は , である。
をこの基底で表すと になる。係数がそのまま成分と一致する。
普段「座標が 」と言っているのは、標準基底に関する一次結合の係数のことである。基底を意識せずに済むので、当たり前に感じられているだけだ。
計算例: 別の基底で表す
同じ を、別の基底 , で表してみる。
まずこの 2 本が基底であることを確かめる。行列式は次のとおりである。
なので一次独立で、 の基底になっている。 とおく。
成分ごとに と である。辺々足すと で 、辺々引くと で となる。
検算すると である。同じ点が、基底を変えると という別の係数で表される。
<svg viewBox="0 0 700 296" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" style="max-width:100%;height:auto;display:block;margin:0 auto"><defs><marker id="li-c" viewBox="0 0 10 10" refX="9" refY="5" markerWidth="7" markerHeight="7" orient="auto"><path d="M 0 0 L 10 5 L 0 10 z" fill="#1b81e0"/></marker></defs><line x1="40" y1="200" x2="320" y2="200" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="100" y1="60" x2="100" y2="256" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="100" y1="200" x2="150" y2="200" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-c)"/><line x1="100" y1="200" x2="100" y2="150" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-c)"/><circle cx="250" cy="150" r="4.5" fill="#1f1f1f"/><line x1="100" y1="150" x2="250" y2="150" stroke="#8a8a8a" stroke-dasharray="4 4"/><line x1="250" y1="200" x2="250" y2="150" stroke="#8a8a8a" stroke-dasharray="4 4"/><text x="150" y="220" font-size="12" fill="#1b81e0">e1</text><text x="82" y="150" font-size="12" fill="#1b81e0">e2</text><text x="262" y="146" font-size="12" fill="#1f1f1f">(3, 1)</text><text x="180" y="46" font-size="13" fill="#1f1f1f" text-anchor="middle">標準基底では係数 (3, 1)</text><line x1="390" y1="200" x2="670" y2="200" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="450" y1="60" x2="450" y2="256" stroke="#8a8a8a" stroke-width="1"/><line x1="450" y1="200" x2="500" y2="150" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-c)"/><line x1="450" y1="200" x2="500" y2="250" stroke="#1b81e0" stroke-width="2" marker-end="url(#li-c)"/><circle cx="600" cy="150" r="4.5" fill="#1f1f1f"/><line x1="450" y1="200" x2="550" y2="100" stroke="#8a8a8a" stroke-dasharray="4 4"/><line x1="550" y1="100" x2="600" y2="150" stroke="#8a8a8a" stroke-dasharray="4 4"/><text x="506" y="146" font-size="12" fill="#1b81e0">b1</text><text x="506" y="258" font-size="12" fill="#1b81e0">b2</text><text x="612" y="146" font-size="12" fill="#1f1f1f">(3, 1)</text><text x="530" y="46" font-size="13" fill="#1f1f1f" text-anchor="middle">基底 b1, b2 では係数 (2, 1)</text><text x="350" y="284" font-size="12" fill="#8a8a8a" text-anchor="middle">点は同じで、どの基底で測るかによって係数が変わる</text></svg>点そのものは動いていない。変わったのは測るためのものさしだけである。
表し方の一意性
基底で表したときの係数が 1 通りに決まることは、一次独立性から出る。
と 2 通りに書けたとしよう。差を取ると になる。
は一次独立なので かつ である。つまり , となる。
もし基底が一次従属だったら、この議論は通らない。座標が一意に決まるという当たり前の事実は、一次独立性に支えられている。
次元
基底に含まれるベクトルの本数を、その空間の次元という。
同じ空間の基底はいくらでもあるが、本数はどれも同じになる。 ならつねに 2 本、 ならつねに 3 本である。
この一定性があるおかげで、次元という言葉が意味を持つ。 と の組も と の組も、どちらも 2 本だった。
よくある誤り
最後に、間違えやすい点を具体的に並べておく。
どれも定義に戻れば防げる。判定に迷ったら、 とおいて係数を求める、という原点に戻ればよい。












未知数 3 個に対して方程式が 2 本しかないので、自明でない解が必ず存在する。実際 10a1−5a2+3a3=0 が成り立つ。3 本を並べても正方行列にならないので、行列式は計算できない。