有機物とは、加熱すると炭になったり二酸化炭素を放出したりする物質のこと。無機物とは、有機物以外の物質のこと。
※高校の化学では炭素を含む物質を有機物という。
例えば紙は有機物である。紙を燃やすと炭が残るからだ。しかしスチールウールは無機物である。スチールウールを燃やしても炭にならず、二酸化炭素も放出しない。なおスチールウールの成分は鉄である。
有機物と無機物の分類
有機物
- 紙
- 木
- エタノール
- 石油
- プラスチック → 石油原料
- 砂糖
無機物
- 水素
- 酸素
- 水
- 食塩
- スチールウール
- 金属(アルミニウムや鉄含む)
- ガラス
主な金属
- 鉄
- 銅
- 銀
- 金
- アルミニウム
有機物と無機物を区別する方法と石灰水
スチールウールが有機物でなく無機物であるのは、スチールウールを石灰水の入ったガラスビン内で加熱する実験からわかる。
加熱した後、石灰水が白くなったらその物質は有機物である。有機物は加熱によって二酸化炭素を出し、二酸化炭素は石灰水を白く濁らせるからだ。
一方、加熱した後、石灰水が白くならなかったらその物質は無機物ということになる。
プラスチックの分類
プラスチックは石油を原料とする工業製品で、ガラスや金属と比べて軽いという性質がある。私たちが毎日のように扱っているペットボトルもプラスチックの一つ。
プラスチックが広まる前は、ジュースはガラス瓶に入っていることが多かった。今は酒や一部の飲料水を除いて、ガラス瓶の代わりにペットボトルが使われている。
プラスチックの分類
- PET(ポリエチレンテレフタレート)
- PP(ポリプロピレン)
- PS(ポリスチレン)
砂糖と小麦粉と食塩の違い
砂糖と小麦粉は有機物を代表する物質、食塩は無機物を代表する物質。砂糖、小麦粉、食塩を加熱する実験の結果を覚えよう。
- 砂糖 … とけて茶色になり、やがて黒くこげる
- 小麦粉 … 黒くこげる
- 食塩 … 燃えない
砂糖と小麦粉の違いは溶けるかどうか。砂糖は加熱するとアメのようにベトベトになり、さらに加熱すると黒くこげる。しかし小麦粉はアメのようにはならない。
なお砂糖を溶かしてアメのようにしたお菓子をべっこう飴という。べっこう飴は砂糖と水を混ぜて煮つめるだけで作ることができる。
食塩は有機物でないため、砂糖や小麦粉のように燃えない。しかし 1000° 近くまで加熱するとやがて溶ける(実験室で実験しないこと)。これを食塩の融解という。