硝酸の性質
硝酸は光を当てると分解する。そのため硝酸は光を遮断する褐色ビンなどに保存する。
硝酸の製法
硝酸はオストワルト法でつくる。
それぞれを反応式にすると下のようになる。
また硝酸は揮発性の酸であるため、揮発性酸塩+不揮発性酸の反応を利用してとりだすこともできる。不揮発性の酸として濃硫酸がある。
NaNO3 + H2SO4 → NaHSO4 + HNO3
揮発性酸塩+不揮発性酸
不揮発性酸塩+揮発性酸
硝酸と金属の反応(酸化剤)
硝酸は希硝酸と濃硝酸で性質がかなり異なる。金属は希硝酸に溶かすと一酸化窒素、濃硝酸に溶かすと二酸化窒素が生じる。
希硝酸
HNO3 + 3H+ + 3e- → NO + 2H2O
濃硝酸
HNO3 + H+ + e- → NO2 + H2O
例えば銅と希硝酸、銅と濃硝酸の反応はよく出る。
銅と希硝酸
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO
銅と濃硝酸
Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2
銅と希硝酸の係数は3 8 3 4 2、銅と濃硝酸の係数は1 4 1 2 2。
不動態
希硝酸は鉄とアルミニウムをふくむほとんどの金属を溶かすが、濃硝酸は鉄とアルミニウムを溶かさない。
濃硝酸に鉄またはアルミニウムを入れると、金属表面に細かい酸化物の膜ができる。これが金属の酸化を止めてしまう。この状態を不動態という。
硝酸とベンゼン
ベンゼンと濃硝酸と濃硫酸を混ぜて、加熱するとニトロベンゼンができる。ニトロベンゼンは特有の匂いがする。
ベンゼン環にNO2を付加することをニトロ化という。ニトロ化された有機化合物をニトロ化合物という。
トルエンをニトロ化すると爆薬の原料であるトリニトロトルエン(TNT)ができる。またフェノールをニトロ化するとピクリン酸ができる。
キサントプロテイン反応
キサントプロテイン反応とは、タンパク質(あるいはアミノ酸)にふくまれるベンゼン環を検出するもの。手順は次のとおり。
- 検出対象のタンパク質の水溶液と濃硝酸を混ぜる
- 加熱する
- アンモニア水を入れる
アンモニア水を入れてオレンジ色になったら、検出対象にベンゼン環がふくまれている。オレンジ色にならなかったらベンゼン環はふくまれていない。
なおベンゼン環をふくむアミノ酸はフェニルアラニンとチロシン。