日本語には「あなた」や「お前」などいろいろな二人称があります。
注 二人称とは自分と話をしている相手のことをいいます。
あなた
スタンダードな言い方。ただし親しい人に使うとかえって冷たく感じられる。
公の場でよく使われる。
お前
年上が年下に、あるいは親が子に使うやや厳しい言い方。また親しい人にも使う。「お前さあ~」など。
君
年上が年下に、あるいは親が子に使う。「お前」と違って厳しい感じはないが、下手に使うと見下している感じが出てしまう。
貴殿
口語では使わない。手紙などかなりフォーマルな場面でまれに使う。ゴテゴテした感じが如実に伝わってくるため、口語で使うとギャグになる。
てめえ
「お前」の進化形。べらんめえ調で品がない。強面の人々が使う。親しい人には決して使ってはいけない。
あんた
「あなた」の進化形。「あなた」のスタンダード感をややオバサンっぽくした言いまわし。やや見下している感じが出てしまうので、親しい人に使う。
自分
「自分」は本来「私」のことだが、関西の一部の地域では二人称としても使われる。あなたと私という境界がないフレンドリーな空間を匂わせる。
あんちゃん
「あんた」の最終進化形。「あんちゃん」は「あんた」から刺々しさが失われて、かえってフレンドリーなニュアンスをもっている。
ほとんどの場合、年長者が年少者に向かっていう。