[慣]毒をもって毒を制す
悪いことをなくすために悪いことをすること。悪人を排除するために悪人を用いること。
「毒をもって毒を制する」ともいう。「毒をもって」の「もって」は漢字にすると「以って」となる。これは「~によって」「~で」という意味で、毒を盛るの「もる」ではない。「悪をもって悪を制す」は「毒をもって毒を制す」と勘違いされて使われるが、このようなことわざはない。
例文
- 毒をもって毒を制しても、悪は消えない。
- 泥棒を捕まえるために他の泥棒をうまくおとりにするとは、まさに毒をもって毒を制すだ。
- 毒をもって毒を制するだけでは、本当の解決に至らない。
出典
五灯会元(ごとうえげん)
夷(い)をもって夷を制す(類語)
夷(あるいは四夷)とは中国における異民族の総称であり、蔑称でもある。また古代中国にとっての敵(敵国)をしばしば意味する。つまり「夷をもって夷を制す」とは、敵を用いて敵をおさえるという意味。
「夷(い)をもって夷を制す」は「後漢書」にある。