司法試験 短答式 2024 憲法 第16問

違憲審査に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.32])
  1. 憲法第81条は、立法及び行政行為に対する違憲審査権を、最高裁判所を終審とする司法裁判所に与えたものであって、同条の「処分」とは行政処分を意味し、裁判所による判決や決定は含まれない。
  2. 最高裁判所は、立法不作為により在外国民が選挙権を行使することができない場合に、立法不作為の違憲を理由とする国家賠償請求を認めるほか、次回の選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める訴えについても、公法上の法律関係に関する確認の訴えとして適法であるとして、これを認めている。
  3. 憲法と条約の効力関係につき憲法優位説を採った場合は、条約が憲法第81条に列挙されていないこと、条約は外国との合意によって成立するという特殊性があることなどを踏まえても、条約を違憲審査の対象から除外する立場は採り得ない。
  1. 1 ア○ イ○ ウ○
  2. 2 ア○ イ○ ウ×
  3. 3 ア○ イ× ウ○
  4. 4 ア○ イ× ウ×
  5. 5 ア× イ○ ウ○
  6. 6 ア× イ○ ウ×
  7. 7 ア× イ× ウ○
  8. 8 ア× イ× ウ×

正答 6(配点 2)

参考

正解は6(ア×・イ○・ウ×)。ア:最高裁(最大判昭和23年7月8日)は、憲法81条にいう「処分」には裁判所の判決も含まれ、裁判もまた違憲審査の対象となるとした。記述は判決や決定は含まれないとする点が誤り。イ:在外日本人選挙権訴訟(最大判平成17年9月14日)は、立法不作為の違憲を理由とする国家賠償請求を認めるとともに、次回選挙で選挙権を行使し得る地位の確認を求める訴えを公法上の確認の訴えとして適法とした。正しい。ウ:憲法優位説を採っても、条約が81条に列挙されていないことや国際合意としての特殊性を理由に、条約を違憲審査の対象から除外する立場を採ることは可能であり、記述は除外する立場は採り得ないと断ずる点が誤り(砂川事件は条約の違憲審査に統治行為論による一定の限定を認めた)。

自作の解説(憲法および最高裁判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第16問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html