司法試験 短答式 2025 民法 第27問
委任に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.27])
- ア 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。
- イ 受任者が委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担した場合において、その債務が弁済期にないときは、受任者は、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。
- ウ 受任者が委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合には、その損害の発生が委任者の責めに帰すべき事由によるものであるときに限り、受任者は、委任者に対し、その損害の賠償を請求することができる。
- エ 委任者が受任者に不利な時期に委任契約について任意解除をした場合には、やむを得ない事由があったときであっても、委任者は、受任者に対し、その損害を賠償しなければならない。
- オ 委任契約において委任者の死亡によっても契約を終了させない旨の特約をしたときであっても、その特約は、無効である。
- 1 ア イ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 ウ オ
- 5 エ オ
正答 1(配点 2)
参考
正解は1(正しいのはア・イ)。ア:受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない(民法646条2項)。イ:受任者が委任事務処理に必要な債務を負担した場合、その債務が弁済期にないときは、委任者に相当の担保を供させることができる(民法650条2項後段)。ウ:受任者が委任事務処理のため過失なく損害を受けたときは、委任者の帰責事由の有無にかかわらず委任者に損害賠償を請求できる(民法650条3項)から、「委任者の責めに帰すべき事由によるときに限り」とするのは誤り。エ:不利な時期の任意解除でもやむを得ない事由があったときは損害を賠償する必要がない(民法651条2項ただし書)から誤り。オ:委任者の死亡によって契約を終了させない旨の特約は有効である(判例)から、無効とするのは誤り。
自作の解説(委任に関する規定および参照判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第27問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html