司法試験 短答式 2025 憲法 第15問

衆議院の解散に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.29])
  1. 衆議院が解散決議をして自律的に解散することはできないとする見解は、自律的解散を認めると、衆議院の多数派の意思によって少数派の議員たる地位を奪うことが可能になることや、自律的解散について憲法に明文の規定がないことをその根拠としている。
  2. 衆議院の解散に係る天皇の国事行為を定める憲法第7条第3号に、内閣の衆議院解散権の根拠を求める見解に対しては、最初から形式的行為にすぎない天皇の国事行為に対する内閣の助言と承認を、衆議院解散の実質的決定権の根拠とすることはできないとの批判がある。
  3. 最高裁判所は、衆議院の解散は憲法第81条にいう「処分」であって、裁判所の違憲審査の対象となるが、極めて政治性の高い国家統治の基本に関する行為であるから、その法律上の有効無効を審査することは裁判所の権限の外にあるものとした。
  1. 1 ア○ イ○ ウ○
  2. 2 ア○ イ○ ウ×
  3. 3 ア○ イ× ウ○
  4. 4 ア○ イ× ウ×
  5. 5 ア× イ○ ウ○
  6. 6 ア× イ○ ウ×
  7. 7 ア× イ× ウ○
  8. 8 ア× イ× ウ×

正答 2(配点 2)

参考

正解は2(ア○ イ○ ウ×)。ア:正しい。自律的解散否定説は、自律的解散を認めると多数派が少数派議員の地位を奪いうること、自律的解散に憲法上の明文がないことを根拠とする。イ:正しい。7条3号説に対しては、本来形式的・儀礼的な国事行為への助言と承認を解散の実質的決定権の根拠とすることはできないとの批判がある。ウ:誤り。苫米地事件(最大判昭和35年6月8日)は、衆議院の解散のような高度の政治性を有する統治行為は裁判所の審査権の外にあるとしたものであり、解散を81条の「処分」として違憲審査の対象になるとしたわけではない。

自作の解説(憲法第7条・第69条・第81条および参照判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第15問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html