司法試験 短答式 2023 民法 第23問
同時履行の抗弁に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.23])
- ア 質権の被担保債権に係る債務と質物の返還義務とは、同時履行の関係にある。
- イ 賃貸借が終了した場合における敷金の返還義務と賃借物の返還義務とは、同時履行の関係にある。
- ウ 注文者に引き渡された仕事の目的物の品質が請負契約の内容に適合しないものである場合、注文者の報酬支払義務と、請負人の修補に代わる損害賠償義務とは、同時履行の関係にある。
- エ 不動産の売買契約の履行として売主への代金の支払と買主への所有権移転登記がされた後、売主が第三者の詐欺を理由として売買契約を取り消した場合、代金返還義務と所有権移転登記の抹消登記手続義務とは、同時履行の関係にある。
- オ 債権に関する証書がある場合において、その債権に係る債務と証書の返還義務とは、同時履行の関係にある。
- 1 ア ウ
- 2 ア オ
- 3 イ エ
- 4 イ オ
- 5 ウ エ
正答 5(配点 2)
参考
正解は5(正しいのはウ・エ)。ウ:判例(最判平成9年2月14日)は、請負の目的物に契約不適合がある場合、注文者の報酬支払義務と請負人の修補に代わる損害賠償義務とは同時履行の関係に立つとした。エ:契約が取り消された場合の当事者双方の原状回復義務は同時履行の関係に立ち、代金返還義務と移転登記の抹消登記手続義務とは同時履行の関係にある。アは質物の返還は被担保債権の弁済後で同時履行でないから誤り、イは敷金返還は賃借物の明渡し後で同時履行でないから誤り、オは債権証書の返還は債務の弁済と同時履行の関係にないから誤り。
自作の解説(民法第347条・第533条・第622条の2および判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 請負報酬と修補に代わる損害賠償の同時履行(最判平成9年2月14日民集51巻2号337頁)
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第23問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html