司法試験 短答式 2024 民法 第6問
時効取得に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
- ア 土地の占有者が所有者からの明渡請求を拒否して占有を継続してきたときは、取得時効の要件である平穏な占有があるとはいえない。
- イ 所有権の取得時効期間の計算においては、占有の開始の時が午前零時でなかったときであっても、占有開始の日が算入される。
- ウ 土地の賃借権の取得時効が成立するためには、土地の継続的用益が賃借の意思に基づくことが客観的に表現されていることが必要である。
- エ 所有権の取得時効は、占有者が他人によって物の占有を奪われたときであっても、占有回収の訴えにより現実にその物の占有を回復したときは、中断しない。
- オ 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、法定の期間を経過した後、その権利を時効によって取得する。
- 1 ア イ
- 2 ア オ
- 3 イ ウ
- 4 ウ エ
- 5 エ オ
正答 1(配点 2)
参考
正解は1(誤りはア・イ)。ア:所有者からの明渡請求を拒否して占有を継続しても、暴行や強迫によるものでない限り平穏な占有は失われないから、平穏な占有があるとはいえないとするのは誤り。イ:期間の計算においては初日を算入しないのが原則であり、占有の開始が午前零時でない限り占有開始の日は算入されないから(民法140条)、算入されるとするのは誤り。ウは賃借権の時効取得の要件、エは占有回収の訴えによる占有の回復と取得時効(民法203条ただし書)、オは所有権以外の財産権の取得時効(民法163条)で、いずれも正しい。
自作の解説(民法の取得時効に関する規定と判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第6問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html