ビジネスでは「了解しました」は社内、「承知しました」は社外で使います。また目上の者に対しては「了解しました」ではなく「承知しました」という。
了解 … 社内
承知 … 社外、目上の者に対して
「承知」は一種の敬語、「了解」は少しぶっきらぼうな丁寧語と認識されています。
了解いたしました
相手を敬っている感をかもしだせる「いたします」をつければ、目上の人に対しても「了解」と言えるのでしょうか?
結論
「了解いたしました」は目上の人に対してあまり使うべきでない
「了解」という言葉には、仲間内(組織内)の密な間柄という前提が隠れています。「了解」は「ああ」や「わかった」の延長線にあり、根本的にぶっきらぼう。そして「いたします」は謙譲語であって尊敬語ではない。
ぶっきらぼうな言葉+謙譲語=謙譲語(または尊敬語)
とはなりにくいので、「了解いたしました」は相手を尊敬している感じをうまく伝えられないと考えることができます。
承知しました vs 承知いたしました
最初に「承知」は一種の敬語と書きました。「承知」を字面通りに読むと
知を承る
となります。「承る」は慣例的にも辞書的にも謙譲語であり、「承知」も謙譲語とみなすことができます。
承知 → 謙譲語
「承知いたしました」は謙譲語+謙譲語であり、卑屈すぎる言葉だとわかります。
◯承知しました
△承知いたしました
かしこまりました
日本語(特に四十代以上の層の好む言いまわし)がわかってくるにつれて、「了解」がわりと危険な言葉で、「承知」が無難な言葉であるとわかってきます。
すると「承知」ばかり使うようになりますが、ここで「かしこまりました」という表現を使うようになると幅が広がるでしょう。「かしこまりました」は「承知」とほとんど同じ。
承知しました = かしこまりました
御意
使ったら顰蹙(ひんしゅく)をかうこと間違いなしの言葉が「御意(ぎょい)」。御意は「御意のままに(従います)」の略で「了解」や「承知」と似ていますが、死語です。