未や且といった漢字を再読文字といいます。漢文の文法で最も大切なところです。
再読文字は返り点をともなって二回読みます。例えば「未」は「いまだ」と読み、返り点で返ったあと「ず」と読む。
漢字 | 読み |
---|---|
未 | いまダ〜ず |
将 | まさニ〜(セ)ントす |
且 | まさニ〜(セ)ントす |
当 | まさニ〜べシ |
応 | まさニ〜べシ |
須 | すべかラク〜べシ |
宣 | よろシク〜べシ |
猶 | なホ〜(スル)ガごとシ |
「べし」はひらがなの「べ」+カタカナの「シ」。
未

repeat1
再読文字で最初に習う漢字で、唯一否定を表す。「まだ〜しない」という意味。例えば、未来という言葉を漢文風に読めば「未だ来ず(まだやってこない)」となる。
将・且・当・応

repeat2
将と且はどちらも「いまにも〜しそう」という近い未来を表す。
当と応はどちらも「〜すべき」「〜にちがいない」という当然を表す。これは当と応の二度目の読みである「べし」の助動詞の意味を考えるとわかる。
須・宣・猶

repeat3
須は「〜する必要がある」という意味。
宣は「〜したほうがいい」という適当を表す。
猶は「〜のようだ」という意味。
例文

repeat4
右の文
まさにこれを飲まんとす
(今にも飲もうとする)
左の文
過ぎたるはなお及ばざるがごとし
(過剰なことは不足しているようなものだ)