倫理・政経で意外と狙われるのがアウグスティヌスとトマス・アクィナスです。この二人はセットで覚えるといいでしょう。
人物 | 思想 |
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アウグスティヌス | 教父哲学 |
トマス・アクィナス | スコラ哲学 |
イエス・キリストから宗教改革まで倫理はあまりくわしく扱いませんが、この間に教父哲学とスコラ哲学がキリスト教の発展を支えていました。下の説明にあるように教父哲学もスコラ哲学もギリシャ哲学をもとにキリスト教を考えています。
アウグスティヌスと教父哲学
教父哲学はキリスト教を哲学的に考えるという方法・思想です。教父哲学は一般的に 2〜8 世紀頃に起きたと考えられています。
教父哲学を代表する思想家がアウグスティヌスです。アウグスティヌスは「告白」と「神の国」を著し、神を愛することが重要であると説きました。またキリスト教の三元徳(信仰、希望、愛)をギリシャ四元徳(節制、勇気、知恵、正義)の上に置きました。アウグスティヌスはこの2点が重要です。
教父哲学はそもそもキリスト教とギリシャ哲学の交わりであり、それを体系化させたのがアウグスティヌスでした。
トマス・アクィナスとスコラ哲学
スコラ哲学のスコラは学校(スクール)と同じ起源を持つ単語です。スコラ哲学はアリストテレスなどのギリシャ哲学からキリスト教を分析するというあり方です。代表的な思想家はトマス・アクィナス。

トマス・アクィナスは「神学大全」を著し、理性と信仰の調和を明らかにしました。またキリスト教をあらゆる学問の上に置きました。
歴史は哲学と宗教をもとに発展しています。理性にあたるものはギリシャ哲学から始まって、合理論や功利主義にいたるわけです。宗教に相当するものはキリスト教などから始まり、各地の教会などの発展と腐敗につながります。このまったく異なる二つをある意味でつなげた思想家がトマス・アクィナスとなります。
しかしギリシャ哲学とキリスト教をつなげるという試みそのものは、トマス・アクィナスの前に教父哲学のアウグスティヌスが行っています。トマス・アクィナスのポイントを整理するとこうなります。
参考文献
高等学校「新倫理」(清水書院)