EU と中国の関税戦争が始まった
6 月 12 日、EU は中国の電気自動車に最大 38.1% の関税を課すと発表しました。
Electric vehicle value chains in China - European Commission
上の声明文によると、上海汽車(SAIC)が最も重い 38.1% で、BYD は 17.4% です。この他に既存の 10% 関税があるため、上海汽車の関税は 48.1% になります。
これを受けるような形で、今日(2024 年 6 月 21 日)中国は EU からの豚肉に対してアンチダンピング調査をすると発表しました。
China may levy provisional anti-dumping tariffs on the pork and pig by-products imported from the European Union in accordance with the result of the ongoing anti-dumping investigation which started on June 17, according to the Ministry of Commerce.
EU と中国の関税戦争が本格的に始まりました。ここからは私の感想です。
豚肉輸出の依存度は EU 内でも国ごとに変わります。Leading European pork exporters in 2023 - pig333.com によるとスペインの豚肉輸出量は 1,340,683 t で EU 内一位。中国の制裁返しは EU 内に亀裂をつくるかもしれません。
電気自動車の関税は主にドイツやフランスのメーカーを守るために発動されたと思います。もしそうなら、中国の豚肉制裁はスペインが EU 内で最も不公平な損害を受けると言えます。
EU は新しい貿易の枠組みが生まれるたびに、内部で緊張がつくられているように私は思います。イギリスは EU から離脱し、フランスで第一党になった極右の国民連合(党首はマリーヌ・ルペン)は根本的に EU 懐疑派です。EU が分解すれば中国の立場は強くなり、ヨーロッパ全体の競争力は低下します。