司法試験 短答式 2025 民法 第10問
Aがその占有する自転車甲を遺失した場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.10])
- ア Aは、甲を拾得して占有するBに対し、占有回収の訴えにより、甲の返還を請求することができる。
- イ Aが受寄者として甲を保管していたときであっても、Aは、甲を拾得した者から善意無過失で甲を買って占有を始めたCに対し、遺失の時から2年間、甲の回復を請求することができる。
- ウ 甲を競売において善意で買い受けて占有を始めたDがAから甲の回復を請求されたときは、Dは、Dが支払った代価の弁償の提供があるまで、甲の使用収益を行う権限を有する。
- エ Eは、甲の占有を開始した時に善意無過失であり、10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲を占有したときは、甲の所有権を取得する。
- オ 甲を拾得したFは、その拾得を所有の意思をもってしなかったときは、遺失物法の定めるところに従い公告がされた後法定の期間内に甲の所有者が判明しなかったとしても、甲の所有権を取得しない。
- 1 ア イ
- 2 ア オ
- 3 イ ウ
- 4 ウ エ
- 5 エ オ
正答 2(配点 2)
参考
正解は2(誤りはア・オ)。ア:占有回収の訴えは占有を「侵奪」された場合に認められる(民法200条)ところ、遺失は占有の侵奪に当たらないから、占有回収の訴えによる返還請求はできない。オ:遺失物拾得による所有権の取得(民法240条)は所有の意思の有無を問わないから、公告後法定期間内に所有者が判明しなければ、所有の意思なく拾得した者も所有権を取得し得る。イ・ウ・エは正しい。
自作の解説(占有・即時取得・遺失物拾得に関する規定に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第10問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html