司法試験 短答式 2023 民法 第7問

取得時効に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.7])
  1. 相続人は、所有権の時効取得を主張するに際し、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は被相続人の占有に自己の占有を併せて主張することができる。
  2. 占有取得の原因である権原又は占有に関する事情によって外形的客観的に所有の意思があるといえない場合であっても、占有者が内心において他人の所有権を排斥して占有する意思を有していたときは、所有の意思があると認められる。
  3. 10年の取得時効によって不動産の所有権を取得したと主張する者は、当該不動産を自己の所有と信じたことにつき無過失であったことの立証責任を負う。
  4. 地上権の取得時効期間は、時効取得を主張する者の主観的事情にかかわらず、10年である。
  5. 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
  1. 1 ア ウ
  2. 2 ア オ
  3. 3 イ ウ
  4. 4 イ エ
  5. 5 エ オ

正答 4(配点 2)

参考

正解は4(誤りはイ・エ)。イ:所有の意思の有無は占有取得の原因である権原又は占有に関する事情により外形的客観的に判断され(判例)、占有者の内心の意思によって決まるものではない。エ:地上権の取得時効期間も所有権と同様、占有者が善意無過失なら10年、そうでなければ20年である(民法163条・162条)から、主観的事情にかかわらず10年とするのは誤り。ア・ウ・オは正しい(アは187条、ウは10年時効の無過失の立証責任、オは283条)。

自作の解説(民法第162条・第163条・第187条・第283条および判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第7問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html