各位(かくい)は、書類やメールを複数人に送るときに用いる言葉で、「田中様」「佐藤様」の「~様」にあたります。
各位の使い方
書類では、各位は図のように左上に置きます。役員に送るときは「役員各位」になり、保護者に送るときは「保護者各位」となります。図の「関係者各位」も頻繁に使われます。

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現代では、図のフォーマットのとおり日付、各位、社名という順番で下りてくる形式が一般的です。
言葉 | 位置 |
---|---|
日付 | 右上、一番上 |
各位 | 左上、二番目 |
社名(団体名) | 右上、三番目 |
各位は尊敬語にしない
各位という言葉自体が尊敬語になっているため、「関係者各位様」のように様をつけません。
◯関係者各位
△関係者各位様
△関係者様各位
×関係者様各位様
◯保護者各位
△保護者各位様
△保護者様各位
×保護者様各位様
関係者様各位様というのはかなり冗長ですね…。
お客様各位とお得意様各位
「各位に様をつけない」という考えは、送り先(伝える先)が「お客様」と「得意様」のときは例外になりつつあります。
「お客各位」は見た目からして体裁が悪く、多くのサービス業では「お客様各位」としていることがほとんどです。このあたりは日本語の難しさが際立っています。
◯お客様各位
×お客各位
◯お得意様各位
×お得意各位
「お得意様」は「お得意」に様がついているのでなく「お得意様」という一つの言葉で成りたっているので、「お得意各位」は誤りといえます。
関係各位と関係者各位
「関係者」に限って、関係者各位と関係各位のどちらが適切かという話がしばしば持ちあがります。
「保護者各位」「株主各位」といった使い方に照らしあわせると、各位という言葉は
人 + 各位
で使われるため、人名とはいえない「関係」よりも「関係者」のほうが一般的であると考えられます。
◎関係者各位
◯関係各位
ただし関係各位も通例として用いられる場合もあります。少なくとも「関係者各位様」よりは適切です。
各位の前にくる単語
株主に通達する場合は「株主各位」となり、通常は送り先の一般名詞を各位の前につけます。
会社関係
- 株主各位
- 役員各位
- 部長各位
- 課長各位
- 従業員各位
- ご担当者各位
教育関係
- 保護者各位
- 父兄各位
- 先生各位
(現代では「父兄各位」よりも「保護者各位」のほうが無難)
一般的な団体
- 関係者各位
- 会員各位
各位の前につけるべき単語がわからないとき
◯◯各位の◯◯が思いつかないときは各位だけにします。「お客様各位」も、その言葉に違和感があったら「各位」で問題ないかもしれません。

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