「させていただく」の正しい使い方:二重敬語にならないように気をつけよう
今回は「させていただく」という言葉遣いを考えます。「させていただく」は謙譲語です。謙譲語とは、自分を相手より下に置くための言葉でした。
させていただく → 謙譲語
「拝読」も謙譲語、「させていただく」も謙譲語であり、「拝読させていただきます」は二重敬語にあたります。
- 拝読 → 謙譲語
- させていただく → 謙譲語
二重敬語、特に謙譲語を重ねる表現はあまりに卑屈で、しつこいと考えられています。どちらかをとりましょう。
- 拝読します
- 読ませていただきます
ただ、「読ませていただきます」は「今から読むよ!」という妙なニュアンスも伝わるので、「拝読します」のほうが無難でしょう。
「させていただく」のダメな例
- お伺いさせていただきます
- 申し上げさせていただく
- 頂戴させていただきます
二重敬語(二重謙譲語)は卑屈な感じが伝わってしまうので良くない。
参考:そもそも尊敬語と謙譲語ってどう違うの?敬語の使い分けをわかりやすく解説します
「させていただく」の代替
私はいつも日本語を相当厳格に使っているつもりですが、この「させていただく」は使いません。最近は特に「させていただく」がブームになっているので、代わりの言葉を意識して使うようにしています。
- いたします
- 拝見、拝読、拝聴など
- そもそも謙譲語をあまり使わない
- 丁寧語を使う
- 尊敬語を使う
まずは「いたします」を使います。見る、読む、聴く、などは「拝見」などを使います。
△ご案内させていただきます
◎ご案内いたします
新幹線などの交通機関のアナウンスは「いたします」を使っている印象があります。また丁寧語でカバーできるところは丁寧語を積極的に使いましょう。
△お伺いさせていただきます
◎お伺いします
ちなみに「お伺いします」は「お」が尊敬語に当たるから「伺います」でよい、という解説があります。確かにその通りですが、私は微妙だと思っています。ここからは主観ですが、私は「(相手のいる場所に)伺います」と怖くて言えませんね。ただし書面では「伺います」と書きます。
口頭 … お伺いします
文書 … 伺います