アダム・スミスと自由放任主義(高校倫理)

アダム・スミスは自由主義にもとづく経済を考えた思想家です。アダム・スミスの「国富論」によれば、各人が自由に経済競争することで、社会全体が豊かになります。

センター試験過去問(2023 年・第三問・問 2)改

アダム・スミスの思想についての記述として最も適当なものを選びなさい。

  1. 富を求める自由競争は、人間の利己心に基づいているものである場合には、社会的に容認されるべきではない。
  2. 各人の私益を追求する自由な経済競争に任せておけば、結果的に社会全体の利益が生まれる。
  3. 資本主義経済では、生産手段を所有しない労働者はその労働力を資本家に売るので、生産物は資本家のものとなり、労働も強制されたものとなる。
  4. 資本主義は、生命活動を自由なものとするために他者との関わりの中で生産を行う類的存在であるという意識を、人間から失わせる。

解答

正解は 2 で、アダム・スミスは自由競争によって社会全体が豊かになると唱えました。

1 は誤り。アダム・スミスはむしろ、利己的な利益追求が市場の「見えざる手」によって社会の利益になりうると考えました。これは「国富論」にある重要なポイントです。