部活を辞めたいと思っている中学生と高校生は多いと思います。辞めたい理由として
- 顧問または先輩が厳しい
- 意地悪な人がいる
- 人間関係がうまくいかない
- 勉強などの両立ができない
などがあります。
顧問または先輩が厳しい部活
先生や先輩が厳しい部活は大変。
「おい! 何やってんだバカヤロウ!!」と怒鳴り散らす先生が顧問だと大変ですね。中学生くらいの年になると理不尽な叱責に反抗心を持ってしまう人もいます。
「さっさとやらんかバカモン!」と言われて、心の中で「うるせーよバカ!」と思いながらもしぶしぶ惰性でやる人は多いでしょう。
…厳しさには種類があります。心のこもった厳しさと、その人のストレスのはけ口となっている自己満足的な厳しさ。
どうでもいいことを注意したり、揚げ足をとるような怒り方をするような先生(先輩)は後者です。一部の仲のいい生徒はひいきして褒めるのに、別の生徒にはつらくあたる先生も同じ。説教が長い人も、同じことを何度も言う人も自己満足で怒っているだけ。
〜自己満足な厳しさ〜
- 叫んだり怒鳴ったりする → 教育に叫び声はいらない
- 揚げ足をよくとる → 率直に教えるべき
- 誰かをひいきする → 差別する人はそもそも先生失格
- 説教が長い → たぶん言語能力が不足している
- 同じことを何度も言う → 生徒の時間を無駄使いしている
もし顧問や先輩がそういうタイプで、自分がその理不尽な厳しさに耐えられないと思ったら、その部活を辞めましょう。
自分のことを真剣に思って怒っているならともかく、自分をおとしめるために怒っている人から教わるものはないですよ。自己満足で怒っている先生は、あなたの成長を願って怒っているわけじゃない。ただムカついているから怒っているのです。そんな人、先生とは言えないですよね。
先生と言いたくない人のもとで部活を続けてもつまらないし、人生で損するだけです。

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意地悪な人がいる
どの世界にも意地悪な人がいる。意地悪にもレベルがあるけど、他人の机にマジックで落書きするくらい意地悪な人がいたら、その部活はすぐにでも辞めよう。
本当に底意地が悪い人がいると、その人を中心にみんながおかしくなっていく。最初はまともだった人もだんだん意地悪になってしまう。あるいはあなた自身も意地悪な人になってしまうかもしれない。
みんなが悪人になるには、一人の悪党がいるだけで十分なんです。まともな30人に強烈な悪人が一人やってくると、その30人も悪人になります。なので、やばい悪人が一人二人いたら、その部活はさっさと辞めたほうがいいですね。これは部活に限らず、すべてのグループ、チーム、会社にいえます。

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でも「ちょっと意地悪だな」くらいの人はどこに行ってもいるし、ちょっと意地悪をされたからといって辞めてしまうのはよくない。あくまでも本当に意地悪な人がいるときに辞めてオッケーという話です。
人間関係がうまくいかない
意地悪な人がいるからというよりも人間関係がうまくいかないから部活を辞めたいという場合もあります。話し相手がいないとか、孤立しているとか。
人間関係がうまくいかないときは勇気をもって、友だちを一人でも多くつくってみよう。
一人二人と気さくな話し相手ができるだけで部活の時間がかなり変わってきます。内気な人は同じような内気な人を見つけて話しかけてみるといいですよ。人間関係は同じタイプの者どうしが一番うまくいく。
「人間関係がうまくいかない、だから部活を辞める」という考え方はちょっと安易かもしれない。もう少しだけ粘ってみてください。
勉強と両立できない
日本の学生は睡眠不足と言われています。それは部活に入りながら塾に通って、部活と勉強を両立しないといけないからです。
部活と勉強の両立が大変という問題はほとんどの学生が経験します。これをどうクリアするかで、その人の将来のタフさが変わってくる。これもどのくらい大変かで話はかなり変わってきますが、基本的には両立したほうがいいですね。

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勉強以外の経験は人間的な成長につながるし、ハードスケジュールに耐える力はそもそも必要です。タフさは知識や技能よりもはるかに自分自身に影響していくでしょう。
だけど、受験に専念したい人は辞めていいです。受験以上に大切なことはない。受験だけでもハードなのに、それ以上スケジュールをハードにしてどうするんでしょう?
英語が好きで将来留学したいという人も辞めていいと思います。
ここからは私の(歪んだ)意見になってしまうけど、受験生(中学三年生と高校三年生)は部活を辞めるべきです。くりかえしになりますが、中学生と高校生にとって最も大切なことは部活でも友情でもなんでもなく、受験ただ一つです。
自分をドラマの主人公にしたてて、部活の友情を大切にして勉強をおろそかにすると、たぶん後でひどく後悔することになります。
部活と部活以外の選択を比較しよう
部活を辞めた後を想像してください。
部活を辞めた後の自分が今の自分より幸せだ、青春を満喫している、有意義な時間を送っていると思ったら、その部活を辞めよう。
特に厳しすぎる顧問や先輩がいるせいで胸が苦しい、そのせいで学校がつらい、などと思っている人は部活を辞めて、もっと好きなことにチャレンジするべきですよ。世の中は本当に広く、いろいろなものが転がっています。野球するだけが学校生活ではありません。サッカーするだけが学校生活ではありません。

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一人で芝居を観に行ったり、絵を描いたり、新しいスポーツを考えたりするのだっていいじゃないですか。
中学生、高校生の期間はとても短い。合わせても六年しかない。この短い時間をなるべく濃密にするために、やっているだけムダだ、自分の人生にふさわしくない、と思ったら、部活以外の選択をとってみよう。
追記:沖縄県の高校生が亡くなった事件に思うこと
今年春、沖縄県のある高校生がきつい部活のせいで自ら命を絶つという事件がありました。そういう部活があること自体おかしいし、本当に胸くそ悪いです。
激しい叱責があったらしいけど、そもそもなぜ運動部の顧問というのは怒鳴りがちなのか…。私の小学校時代の同級生から公立中学校の体育教師の話を聞きましたが、相当ひどかったらしいですね。怒鳴るとか、ものに八つ当たりするとか。一人の体育教師のせいで不登校になった人もいたそうですが、まあ実にめちゃくちゃ。人生を壊すのもたった一人の悪党で十分ということがわかります。
それはともかく沖縄県の事件で「これはやばいな…」と思うのはLINEのやりとり。この顧問は生徒とLINEでやりとりしていたそうですが、私はドン引きです。LINEで連絡する時点でなにか一線を超えています。
生徒が家に帰ったら教育者は顧問じゃなくて家族になります。今どきの先生はLINEでねちねち連絡するんですか?それが普通だとほざく先生は一定数いるかもしれないけど、もしそうならうぬぼれもいいところです。学校は私生活に干渉していいほどには偉くないし、権威もない。
初出 2016年4月29日