顕微鏡(光学顕微鏡)は小さいものを拡大して見るときに使う。接眼レンズと対物レンズを調節して倍率を変えられる。
- 鏡筒
- 接眼レンズ
- 対物レンズ
- レボルバー
- ステージ
- 調節ねじ
- しぼり
- 反射鏡
対物レンズは倍率が高くなればなるほど長くなる。対物レンズの倍率を高くするときは対物レンズとプレパラートの距離が短くなるため、対物レンズを交換するときは対物レンズとプレパラートが接したりぶつかったりしないように注意しないといけない。
顕微鏡の使い方(中学理科)
顕微鏡は、直射日光が当たらない、明るいところで使う。
- 反射鏡の角度としぼりを調節して、視野の明るさを最大限明るくする。
- プレパラートをステージにのせる。
- 調節ねじを使ってプレパラートを対物レンズにできるだけ近づける(プレパラートとレンズが接しないように注意)。
- 調節ねじを使ってプレパラートを対物レンズから離していき、ピントが合うところで止める。
- 対象物がよく見えるようにしぼりを調節する。
顕微鏡の倍率
顕微鏡の倍率 = 接眼レンズの倍率 × 対物レンズの倍率
例えば接眼レンズの倍率が 20 倍で対物レンズの倍率が 50 倍であれば、顕微鏡の倍率は 1000 倍となる。
光学顕微鏡(高校生物)
学校の実験で使う顕微鏡は正確には光学顕微鏡という。顕微鏡は光学顕微鏡と電子顕微鏡がある。電子顕微鏡のほうが分解能(判別できる最小単位)が高い。
- 電子顕微鏡 … 非常に高価、分解能が高い(0.2 ナノメートル)
- 光学顕微鏡 … 分解能はあまりよくない(0.2 マイクロメートル)
例えば分解能が 1cm であれば、1cm の生物は判別できるが、0.9cm の生物はぼやけてしまう。
ナノメートル … nm
マイクロメートル … μm
光学顕微鏡の使い方(高校生物)
- 光学顕微鏡は片手でアームを持ち、もう片手で鏡台の下を支えて運ぶ。
- 光学顕微鏡は直射日光の当たらない、水平な机に置く。
- レンズは接眼レンズ、対物レンズの順につける。もし対物レンズを先につけると、鏡筒にホコリなどのゴミが入って対物レンズに裏から付着してしまう(→記述対策)。
- 最初対物レンズは最低倍率のレンズをつける。レンズをつけてからプレパラートの位置を定めるが、最初に高倍率のレンズをつけてしまうとプレパラートにのっている対象物がどこにあるかすぐに見つからない。
- 反射鏡としぼりを調節して視野の明るさを調節する。
- プレパラートをステージにのせる。
- 調節ねじを使って対物レンズをプレパラートまでぎりぎり近づける(※)。このときレンズを覗きこんだままにしない。顕微鏡を横から見るようにレンズとプレパラートの距離を確かめながら行う。
- 接眼レンズを覗きながら、調節ねじを使って対物レンズとプレパラートの距離を離していく(※)。ピントがあったところで止める。
- 試料を視野の真ん中に寄せる。
光学顕微鏡は上下左右反対に映るため、右上のものを左下にもってくるためには、プレパラートを右上に動かす。
実験では万が一のことを考えて本当に「ぎりぎり」のラインまで持っていく必要はない(少しくらい離しても問題はない)。それよりもその後対物レンズを離していくときにねじを回す方向を間違えて、レンズを試料にぶつけてしまうほうが危険である。
光学顕微鏡の倍率を上げるとき(高校生物)
試料をよく見るためには倍率を上げる。その際はレボルバーを動かして対物レンズの倍率を変える。一般的に対物レンズは倍率が高くなればなるほど筒の距離が長くなるため、レンズを変えるときはレンズとプレパラート(試料)がぶつからないように十分注意する。
対物レンズの倍率を上げると視野は暗くなるので、対物レンズを変えたら明るさを調節しなおす。
確認問題
問1 次の文章は正しいか、それとも間違っているか。
(1) 光学顕微鏡を置く机は必ずしも水平である必要はない。
(2) レンズは対物レンズ、接眼レンズの順につける。
(3) 対物レンズは最初高倍率のレンズをつける。
(4) 左下にある試料を視野の真ん中に寄せるには、プレパラートを右上に動かす。
(5) 電子顕微鏡のほうが光学顕微鏡よりも分解能が高い。
(6) 光学顕微鏡の分解能は 0.2 ナノメートルである。
解答
(1) 誤り。光学顕微鏡は水平の机に置く。
(2) 誤り。接眼、対物の順。
(3) 誤り。低倍率のレンズを最初につける。
(4) 誤り。左下のものは左下に動かす。光学顕微鏡は上下左右反対である。
(5) 正しい。
(6) 誤り。0.2 マイクロメートルである。0.2 ナノメートルは電子顕微鏡。