HR 図 — 色と明るさで並べると、星の一生が見えてくる

星の色は、表面の温度で決まる

夜空の星をよく見ると、青白いものと赤いものがあります。この色の違いは、星の表面の温度の違いです。

熱した物体は、その温度に応じた光を出します。温度が高いほど、いちばん強く出る光の波長は短いほうへ寄ります。波長の短い側が青なので、温度の高い星ほど青白く見えます。

青白い星の表面は K ほど、太陽は K、赤い星は K ほどです。K はケルビンで、 °C を とした温度の目盛です。

ここで大事なのは、色は距離を知らなくても測れる、というところです。どれだけ遠くにあっても、届いた光の色は変わりません。温度は、星について最初に分かる量です。

明るさは、届いた量ではなく出している量で測る

空で明るく見える星が、実際に明るいとは限りません。近くにあれば、暗い星でも明るく見えます。星そのものを比べるには、届いた量ではなく、実際に出している量で測る必要があります。

星が出す光は、四方へ広がっていきます。距離が 倍になると、同じ光が 倍の面積に広がるので、単位面積あたりに届く量は になります。距離の 2 乗に反比例する、ということです。

実際に出している量を光度といい、 と書きます。見かけの明るさと距離が分かれば、 が出ます。天文では、太陽の光度を とした目盛に載せます。

HR 図の縦軸はこの光度です。値の幅が 桁ほどあるので、目盛は 10 の何乗かで取ります。

温度と光度で並べると、1 本の帯ができる

横軸に表面温度、縦軸に光度を取って、測った星を 1 つずつ打っていきます。この図を HR 図といいます。名前はヘルツシュプルングとラッセルの 2 人から来ています。

横軸は、右へ行くほど温度が低くなるように取ります。左が熱くて青い側、右が冷たくて赤い側です。逆向きに見えますが、これが天文での決まった向きです。

打っていくと、点はばらばらには散りません。左上から右下へ走る 1 本の帯に、ほとんどの星が集まります。この帯を主系列といいます。

主系列にいるあいだ、星は中心で水素をヘリウムに変えています。星が一生のうちいちばん長くとどまるのがこの状態で、だから多くの星がここに見えます。太陽もその 1 つです。

帯から外れた星は、半径が違う

帯から外れたところにも星があります。右上には、温度が低いのに明るい星がいます。左下には、温度が高いのに暗い星がいます。

星が出す光は、表面 平方メートルあたりの量と、その表面積の積です。 と書けます。 は半径、 は決まった定数です。

温度が低いのに明るいということは、 が小さいぶんを が埋めている、つまり半径が大きいということです。これが巨星です。逆に、温度が高いのに暗い左下の星は、半径がとても小さい。これが白色矮星です。

同じ半径の星は、この図の上で 1 本の斜めの線に乗ります。図に引いた 3 本がそれで、太陽の半径を として、 倍・ 倍・ 倍の線です。巨星は 倍の線よりずっと上、白色矮星は 倍の線のあたりにいます。帯からどちらへ外れているかが、そのまま半径の違いです。

質量が、その星の通る道筋を決める

星は、星と星のあいだにあるガスとちりが集まって生まれます。集まった量、つまり質量が、その星が主系列のどこに着くかを決めます。重いほど左上、軽いほど右下です。

中心の水素が尽きると、星は主系列から外れます。外側がふくらんで表面温度が下がり、面積が大きくなるぶん明るくなります。図の上では右上へ動きます。これが赤色巨星です。

太陽ほどの質量なら、ふくらんだ外側を放り出し、中心だけが残ります。残った中心は小さくて熱いので、図の左下へ落ちて白色矮星になります。放り出されたガスは、また星と星のあいだへ戻ります。

重い星はこの道を通りません。もっと激しく終わり、超新星になります。かかる時間も違い、重い星ほど早く終わります。質量が決まった時点で、その星の道筋はほとんど決まっています。